非正規労働者への差別をやめよ！メトロコマース支部第43回団体交渉報告

（写真＝メーデーのストライキと提訴後、初めての団体交渉に臨んだメトロコマース支部）

東京メトロと子会社メトロコマースは非正規労働者への差別をやめろ！
全国初の労働契約法20条違反での差別撤廃裁判第１回口頭弁論への傍聴を！
～５／20　東部労組メトロコマース支部第43回団体交渉報告～

東京メトロの地下鉄駅売店で働く非正規労働者の女性たちでつくる全国一般東京東部労組メトロコマース支部は５月20日、雇用主である東京メトロ子会社の株式会社メトロコマースとの第43回団体交渉を都内で行い、東京メトロとメトロコマースの経営者による非正規労働者への差別をなくすよう迫りました。組合側は後呂委員長ら５人、会社側は中山営業第一部長や向井総務部長ら３人が出席。５月１日メーデーにストライキ闘争と、労働契約法20条を使った全国初の賃金差別撤廃裁判を提訴してから初めての団体交渉となりました。

組合員の差別撤廃要求に対し、会社側は「裁判所に提訴されたわけなので団交議題にはそぐわない」などと話し合いすら拒否する姿勢を見せました。組合員は「なぜ10年間も同じ売店で同じ仕事をしてきたのに差別するのか」と抗議の声をあげました。さらに正社員が定年退職する際には会社がホテルでパーティを開き、社長が感謝状や記念品を贈呈しているにもかかわらず、非正規労働者が定年退職に追い込まれても退職金どころか感謝状も記念品ももらえない、社内報には名前すら載らないことは差別ではないのかと怒りを込めて問い詰めました。たまらず会社側出席者をして「個人的な気持ち」としながらも「心情的には問題だと思う」と語らしめました。問題なのは当たり前です。自分の母や妻や娘が同じ差別で苦しんでいるとしたら、どう考えるのでしょうか。東京メトロとメトロコマースの経営者は裁判を待たず、ただちに差別解消に動くべきです。

メトロコマースは賃金差別だけではなく、解雇（雇い止め）の基準でも正社員と非正規労働者を差別する制度づくりを狙っています。今年４月の契約社員Ｂの契約更新時に、減給以上の懲戒処分を受けた場合には契約更新しない旨の記載が雇用契約書に初めて盛り込まれました。正社員の場合は同じ減給処分や停職処分を受けたとしても、雇用関係までは失いません。ところが、非正規労働者の場合は正社員と同じ処分を受けると雇用関係まで失うというのです。これは明らかな差別です。組合員が該当部分を削除するよう求めたことに対し、会社側は「持ち帰って再検討する」と回答しました。

また、前回の団体交渉で紛糾したエリアマネージャーによる非正規の販売員からの「100円徴収」問題をあらためて追及しました。売店内に賞味期限切れのタバコがあったという理由で、なぜ販売員が100円とはいえ自腹を切らされるのでしょうか。このような犯罪行為を行った張本人のエリアマネージャーに対し、会社側は「部長からの厳重注意」を行っただけで、半年後には早くもエリアマネージャーの職に復帰させたのです。「会社の人事権に基づく判断」と繰り返すばかりの会社側に対し、組合側は「被害にあった非正規労働者の気持ちはどうなるのか」と問いかけましたが、明確な回答はありませんでした。組合はコンプライアンス（法令遵守）無視の非正規労働者いじめとして、この問題を引き続き追及していく考えです。

最後に、東京メトロ売店が次々と閉店したり別の専門店に変わったり自動販売機（オートメトロス化）になったりしている問題について組合側は問いただしました。会社側はコンビニエンスストア各社からコンビニへの業態変更を申し出るオファーがあったことを認めたうえで「売店員の雇用が前提であるし、ハード面でも全面的なコンビニ化は困難」と回答しました。メトロコマース支部は販売員の雇用と労働条件を守るためにも駅売店を存続するよう求めていきます。

東京メトロ駅売店で働いている皆さん！すべての非正規労働者の皆さん！
私たちメトロコマース支部が全国で初めて労働契約法20条を使って正社員との賃金差額などを請求した裁判の第１回口頭弁論の期日が決まりました。
2014年６月19日（木）午後３時から東京地裁705号法廷です。法廷を埋め尽くす支援傍聴を心よりお願いします！

連絡先：全国一般東京東部労働組合メトロコマース支部（担当・須田光照）
電話　03-3604-5983
メール　info@toburoso.org