【東部労組の学習活動】
「社会主義に向かう労働運動」をテーマに学習会
全国一般東京東部労組は7月28日、綱領作成連続学習会の第3回として「社会主義に向かう労働運動」をテーマにした学習会を組合事務所で開催しました。
この連続学習会は、昨年11月の東部労組の定期大会で決定された「東部労組の綱領を作ろう」という方針に基づき、綱領の主要な論点を組合員が学習・討論するために企画されました。
第1回は今年3月に「東部労組の歴史と思想作風」をテーマに、第2回は同5月に「経済闘争と政治闘争の結合」をテーマに実施。最終回となる第3回は「社会主義に向かう労働運動」をテーマにしました。
56年前(1968年)に東部労組が結成する際に決定した基本方針には「社会主義にむかう労働運動にもとづいて」という記述があります。この路線を引き継ぐのか、引き継ぐとすれば現代的な復権をいかに実現するのかを考えようという趣旨で開催しました。
最初に東部労組の執行委員による事前グループ討論を踏まえて須田書記長が代表して報告しました。
社会主義への展望を支えにしてきた労働運動の多くがソ連・東欧の社会主義体制の崩壊などを受けて「社会主義なんて言うと普通の労働者から引かれる」といった姿勢に転じてきた歴史を概括しつつ、「『普通』とは何か。現在の階級社会には労働者の思想と資本家の思想しかない。『みんなに引かれるから』と世の中の風潮に迎合してきたことが労働者の思想を弱めてきた」と問題提起しました。
東部労組が1985年に発行した労働学校のテキストを引用する形で「社会主義とは資本家階級の政治権力を打ち倒し、すべての人民の利益を守る労働者階級の権力を打ち立てることだ」と整理したうえで、職場闘争も職場の権力を資本家が握るのか、それとも労働者が握るのかのせめぎ合いだと指摘しました。
東部労組が取り組んできたストライキ闘争や自主管理闘争などの実例を交えながら「社長から命令されて社長の利益のために働かされる存在ではなく、労働者が団結して自分たちですべてを決めて自分たちの意志で働けるような職場をつくっていこう」とまとめました。
討議では参加者から活発な意見が出ました。「『自分さえよければ』という考えを人間は捨てることができるのか」「成果を上げた人も成果を上げていない人も平等の報酬ということで社会は成り立つのか」「労働者が握った権力も権力である限り堕落するのではないか」といった率直な疑問が出されました。
これに対して「資本主義を含めた階級社会が登場する前はお互いに助け合いながら生活していた圧倒的に長い歴史を人類は持っている」「労働者階級が権力を握っても常に資本家の思想が入り込む危険性があるのだから、それと闘う社会主義の運動は続けなければならない」といった応答がありました。
「集団の先頭に立って闘っていく核の存在が職場闘争においても社会変革の運動においても欠かせない」として社会主義実現のためには労働組合だけではなく労働者の党が必要だとする意見や、「どのような社会をめざすのかというのは、どのように自分自身は生きていきたいのかという問題だ」と自らを主体的にとらえ返す意見も表明されました。
最後に全3回の連続学習会を通じて獲得した考え方をもとに綱領作成に向けてさらに討論を今後も深めていこうという方向性を参加者全体で確認し終了しました。