蔵書目録

明治・大正・昭和:音楽、演劇、舞踊、軍事、医学、教習、中共、文化大革命、目録:蓄音器、風琴、煙火、音譜、絵葉書

「ピアノの上手 :原智恵子、甲斐美和子、井上園子」 (1928.4)

2012年10月26日 | ピアニスト 3 ルービンシュタイン、ケンプ他

     

 ・原智惠子さん 〔上左〕

 Miss Chieko Hara, a young pianist recently left for Paris and her teacher Mr. Pedora P. Villaverde.
 
 先日有島氏に連れられ、パリの楽壇を慕つて渡航された原智惠子さん(一五)とその先生ペトロ、ビラベルデさん

 ・甲斐美和子さん 〔上中〕

 貿易商甲斐織衞翁のお孫美和子さん、お父さんと米国においでゞしたが昨年桑港で開かれたピアノの競技会では二百人と争つて入賞された程の技前であります。

 Miss Miwako, granddaughter of Mr. Orie Kai, a pioneer of Japanese trade with America.

 ・井上園子さん 〔上右〕

 井上園子さんは、トドロウヰツチ氏についてピアノを研究してゐられますが少女ながら大人を凌ぐほどの技量をもつてゐられます。

〔蔵書目録注〕

 上の写真と説明文は、昭和三年 〔一九二八年〕 四月一日発行の『婦人画報』 四月号 第二百七十二号 の口絵で、「ピアノの上手 (一)(二)」として紹介された六人中の三人のものである。

 なお、同号には「趣味と実際 洋楽近道 特輯」として、以下の記事もある。

 ・洋楽の味ひ方    小松耕輔
 ・家庭と音楽と楽器  伊庭孝
 ・レコードに依る洋楽 あらゑびす
 ・ジヤズの片影    堀内敬三
 ・音楽家の作品と逸話 野村光一
 ・洋楽家となる手引  長江楽人
 
 ◇楽器の買ひ方◇

 ・ピアノを買ふ注意    近衛秀麿
 ・ヴァヰオリンを買ふ条件 山井基清

 ◇辿つて来た道◇

 ・自然の道であつた    荻野綾子

 ◇どうして洋楽が好きになつたか◇

 ・諧謔曲 ユモレスク から 上司小剣
 ・三十年来の趣味      長田秀雄

  

    小さき踊り子

  甲斐美和子さんのバタフライダンス

 白木屋呉服店丸ビル支店に御勤務の甲斐榮一郎氏の令嬢美和子さんは今東洋英和の小学部四年生ですが、ニ三年前まで、サンフランシスコにゐらしゃった当時は小さいピアノの天才として、又日本娘のダンサーとして何かの会のある時など引っぱりだこの花形でした。日本へかへられてからはその可愛いゝダンス振りを、拝見出来ませんでしたが、最近、報知講堂でクリスマスの催しのあった際、久し振りでお兄様の伴奏に、本場仕込みのお得意のバタフライダンスを踊って、日本生れのお嬢さん方をあっと言はせました。でも美和子さんの天才は、ダンスよりピアノの方により多くあるとは、恵まれた小さき多幸な天才よ!と羨まずには居られません。
 桑港 サンフランシスコ の先生もぜひ惜しいからこっちによこして仕込みます様にと仰しゃって下さいますが、何分まだ小さいものですから、日本でも好い先生があるのでせうが、電車も不便ですし郊外にゐますので通はすのに困って居ます。」とはお子様の御教育に熱心なお母様のおはなし。
 写真は、バタフライの衣裳をつけた美和子さんと、在米当時オールドファッション・ダンスを踊った時の記念撮影

 上の写真と説明文は、大正十四年 〔一九二五年〕 二月一日発行の『婦人グラフ』 二月号 第二巻 第二号 に掲載されたものである。



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