彼女の名誉のためにも言っておかなければならない
気分の良い時にはそれなりに3年生らしい姿も見せてくれる
もっとも昨年9月に進級したばかりでその前はコロナ休校
(フランス語の本を読む姿を見せてくれる)
12月生まれの彼女は日本で言うと未だ2年生の途中の年齢である
フランスでは1月〜12月生まれで学年を構成するので最も幼い層だ
入学してからの学習の中心は何と言ってもフランス語の読み書き
1年生の夏に日本にやって来た時のフランス語の家庭学習を見た
日本の学校に体験入学したが楽しく友だちと遊ぶことが中心だった
しかし帰宅すると必ずママとフランス語のドリル学習をする
テキストを見ると私にはチンプンカンプンな文字がびっしり並ぶ
娘に言わせると「これが分からないと9月からの2年生は無理!」
泣きながら文句を言いながらもママとのフランス語学習に食らいつく
6月末で実質的な1年間の教育課程が終了し2ヶ月近い夏休みに入る
この休み中に進級保留の者は必死で学習しなければならない
幸い孫娘は進級が認められたのだがママは心許なく思っているようだ
こうして無事2年生に進級して1年間を終えようとした時期にコロナ…
日本の一斉休校中の頃フランスではまさに1年の締め括りの時期だった
自宅学習中心では学力も停滞するが皆んなが同じ条件ならそれも良し
テレビ電話は日本語に慣れる貴重な時間ではあるが今の役目は異なる
彼女は登校しないと友だちと触れ合う機会は皆無に等しい
私たちジジババは彼女の友だち代わりに遊ぶお相手となるのだ
日本の男の孫っ子はコロナとは無関係に自宅周辺で毎日友だちと遊ぶ
それを知ってる私たちはついつい彼女に同情的になりざるを得ない
だから時々気分が向いてフランス語の本を朗読する彼女にエールを送る
「すご〜い!上手に読めたね。」
「読んでいる本を見せて!すごいな〜!」
彼女は調子に乗ってけっこう長い文を何度も繰り返し読んでくれる。
(自分で作っている本を見せて「まだまだ続きを書いている」とのこと)
読むだけではなく今は自分で考えて本を作っているようだ
「絵本じゃないよ。お話の本だよ!」
未だ制作途中だという手作り本も流暢なフランス語で読んで聞かせてくれる
-S.S-