郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

映画「沈黙-立ち上がる慰安婦-」の封切り

2017年12月02日 | 日記








12月2日、アップリンク渋谷で封切られました。
10時前からチケットカウンターには長蛇の列ができ、道路まで続いていました。


つい最近、アメリカのサンフランシスコ市が、市民団体による「慰安婦」像の設置寄贈を受け入れたことに対し、同市と姉妹都市にある大阪市の吉村市長が、姉妹関係を解消すると発言しました。
それも、姉妹都市提携60周年記念パーティーの際に別室で相手方へ伝えたとのことです。

権力者が無知というのは実に怖いことです。
無知が高じて暴力化するのは、国家の責任です。

侵略戦争の遂行のため、日本軍の将兵らによる性暴力に蹂躙された若い女性たち…。
彼女たちは戦後50年を経て沈黙を破って立ち上がりました。
朴壽南(パク スナム)監督が、20年以上前から彼女たちの闘いに寄り添い映像にしたためてきました。

「法的責任は解決済み」とする日本政府に対して、謝罪と個人補償を求めて何度も来日して直接交渉を試みました。
まさに日本軍の犯罪を証言し、人間としての尊厳を回復すべく血の滲み出るような魂からの訴えがいとも簡単に退けられました。

その当時、私は何をしていたのでしょう…。
今さらながら反省させられました。
たしかに、国家による謝罪と個別賠償ではなく国民の募金による「アジア女性基金」の設立には反対でしたが、私自身を含めどれだけの日本人がハルモニたちの心からの叫びを真摯に受け止め行動していたのか問われると返答に窮します。

その後、彼女たちは一人また一人と亡くなっていきました。
映画の冒頭で出てきた李玉先(イ オクソン)さんも、今年90才を迎えるそうです。
もう、残された時間はありません。

それにもかかわらず、2016年12月、日本政府は「日韓における慰安婦問題を最終的に不可逆的に解決する」として、韓国政府が設立する「元慰安婦を支援する財団に10億円を拠出する」ことで妥結を図りました。
絶対に消えることのない許すことはできないはずの日本国の国家犯罪を、ハルモニたちはせめても一人一人に国からの謝罪と個人補償を求めているだけです。
このことを、日本政府はどれだけ真摯に受け止めているのでしょうか…。
そして、私たちはどうしたらよいのでしょうか…。



映画の放映後にパク スナム監督からのトークがありました。
慰安婦だけではありません!
強制連行された同胞が何万と広島で被爆死しました。
その後の後遺症で自殺した者もいます。
そして、今なお苦しむ被爆者もいます。
沖縄には米軍の核が保管されています。
それらが、韓国やフィリピンにも運び出されています。
辺野古では今現在も戦争と闘う人々がいます。
……。

パク監督は時間の過ぎるのも忘れて話し続けました。

とにかく、すごい映画です。
是非、多くのみなさんに観ていただきたい映画です。



映画館を出て渋谷駅へ戻ろうとしてしばらく歩くと、来るときは気がつかなかったイチョウの黄葉が眩しく目に入りました。


-S.S-



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一輪車りんりん | トップ | 長谷子ども会館(鎌倉の子ども... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事