郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

「信号のない横断歩道」で停止しない日本のクルマ

2021年04月07日 | 日記

 

(写真は「JAFクルマ何でも質問箱」より)

 

私はクルマの運転をするドライバーであり、道路を歩く歩行者でもあります。


ところが最近、とっても気になることがあります。

いや、正確には、今まであまり気になっていなかったことが、気になって仕方がないということです。

それは、信号のない横断歩道の手前で道路を走っているクルマのほとんどが停止しないことです。



思えば私も車の免許を取得してから37年間、このことを意識して運転していたことはほとんどありませんでした。

しかし、自動車教習所で免許を取るために練習していたころ、隣席に教官が座っているときは必ず守っていました。

横断歩道の標識が目に入ると、一時停止または徐行運転をしていたものです。

たしかに道路交通法第38条には、「横断しようとしている、あるいは横断中の歩行者や自転車がいるときは必ず一時停止をする」etc、という文言があります。

しつこいほど教官に言われたことは今でも覚えています。

「いいか、例え信号がなくても、横断歩道が目の前にあったら原則停止だ。ただし、そこに渡ろうとする人間がいない場合は止まらなくていいが徐行だ。信号だけが全てじゃないぞ。よーく覚えとけ。だから、原則停止ということを頭に入れておけ。」


このころ、私は本当に神経を使ったものです。

それは、横断歩道付近の歩道を歩いている人間がいつ急に横断歩道を渡り始めるか分からないからです。


そんな神経を使ったのも、免許取得してからほんの数年足らずだったと思います。

だいいち、信号のないところでいちいち停止していたら、後続のクルマに追突される危険性さえあります。

道路交通法と実際の運用は違って当然なんだ・・・、とさえ感じていたのかもしれません。



ある時テレビのコマーシャルで、街中をゆったり運転するクルマが道路を横断する人の前で停止し、にっこり微笑む姿がありました。

あの運転手は誰だったか忘れましたが、それはカッコイイものでした。

自分も真似してやってみたことがありますが、あれは余裕から生まれるカッコ良さです。

単にクルマを移動の手段として使っている場合は、運転にカッコ良さなど求める気持ちすら発生しません。


ところが最近、クルマも相変わらず乗りますが、歩いて移動することが以前より増えてきました。

信号のない横断歩道もよく渡りますが、私だけならいざしらず数人が固まって待っているのに道路を走るクルマは一向に留まる兆しを見せません。

なんだこいつら! 人がいるだろ! 止まれよ!

延々とクルマが続いているときなど、かつての自分を忘れイライラ感が募ります。


ヨーロッパの人々は信号を無視する・・・とか言われますが、それは歩行者です。

歩行者はクルマが来なければ信号が赤でも渡るのが一般的です。

しかし、左右をしっかり確認して安全だと思ったら渡るのです。

それこそ、日本の権力者たちが好きな「自己責任」です。


しかし、クルマは信号無視は絶対しません。

罰則が厳しいこともありますが、運転者は歩行者を守らなければならない義務感のようなものがあるように思います。

現に私は何度も運転者に道路横断を譲ってもらったことがあります。

子どもや老人が同伴していたら尚更です。

これは、信号のない横断歩道だけでなく、横断歩道のない道路を渡ろうとする際でも同様でした。

都市部だけでなく、田舎へ行っても見たり経験したことです。


これって、何だろう・・・?と思います。

順法意識はたしかに強いのが日本人だとは思いますが、それも限定的なものにすぎないようです。

「警察に見られていないから、道路交通法は守らない。」

警察も悪いです。

あまり意味のない駐車違反やスピード違反を取り締まる割には、信号のない横断歩道での取り締まりはほとんど見られません。

そもそも、場所によっては横断歩道の標示が見えにくかったり、白いラインが消えかかっている所もあります。

それが悪循環を生んでいるとも言えますが、基本的に日本人ってタテマエ主義なんですね。

良い意味での西欧の合理主義は真似できず、実利的な発想をワガママだと一蹴するようなところもあります。

どちらがワガママかは、実際に体験しないと一概には言えないかもしれませんが・・・・。


最近わたしは、クルマを運転する際には、信号機のない横断歩道付近ではかつての様に細心の注意を払って運転することに心掛けています。

その理由は道路交通法ではなく、自分が歩行者だったら・・・と考えるようになったからです。

因みに、高速道路等での速度規制は自分の判断で決めています。

そのため、無駄な出費をしたこともありますが・・・・・

 

-S.S-


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