文科省がこの3月から始めたTwitterサイト「#教師のバトンプトジェクト」への書き込みは、当局の当初のねらいであった「働き方改革の好事例」どころか、現場教員からの悲痛とも思えるような叫びや嘆きの声だという。
それはそうだろう。少しでも学校現場に足を踏み入れた者なら、現在の学校の慌ただしさや大変さは容易に感じ取れるはずだ。
ということは、文科省当局は現実の状況を掴んでいないということになる。
つい最近も萩生田文科相が連休明けの子どもたちへ「自殺はするな」とメッセージを投げかけたが、そんな切実な状況に追い込まれた子どもたちのことをどれだけ分かっているのだろうか⁉︎ 学校教育だけで子どもたちは生きているのじゃないということ、彼らが生存する社会は今、どうなっているのか?
根底から問い直すことがない限り実態は見えてこないのではないか。
同様に、現場の教員たちが何故忙しいのか、いやこれは今に始まったことではないことが問題なのだが、当局の教育政策の間違いが根底にあることには絶対目を向けることはしない。
「働き方改革」は、現場教員の工夫なんかで可能なはずはない。コロナで在宅ワークへ舵を切った民間会社と競うように教育のデジタル化・IT化に拍車をかける当局。
GIGAスクールナンタラとタブレットを子どもたちに与えて、教員には「さあ、これを活用して効率的な指導をしろ!」って、ふざけんのもいい加減にしてくれ!少なくとも私は、いや多くの教員が今必要なのはタブレットじゃないだろう!人であり、仕事量の削減でしょ!
ついつい、当局批判に傾きがちだが、文科省がこのTwitterサイトを立ち上げたのは、久々のタイムリーヒットである。
ここを通じて現場の生の声が全国に拡散するのは決して悪いことではない。
ここを出発点として、本当の働き方改革・教育改革につなげたい。
-S.S-