郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

新しい学校・林町小学校 (小石川・子ども風土記ー4)

2018年03月09日 | 機関誌

(写真は創立当時の林町小学校)

明治から大正にかけて、小石川は都内でも有数の乳児死亡率が高いとともに、未就学児の多い町でした。
明治四十四年、その町にひとつの新しい学校が誕生しました。林町小学校です。

この学校は、これまでにない画期的な学校でした。
貧しき町の子どもたちを学校から遠ざけていた「授業料」を取らない学校だったのです。

ところが、それでもまだ学校に来れない子どもたちがいました。
自分の糧を自らの手で得るため工場や店やお屋敷で働かなければならない子どもがいたのでした。

林町小学校は、この子どもたちにも学校を開放するため、夜の学校を作りました。当時の校舎図面にある風呂場の図はそれをしのばせてくれます。

さらに林町小学校は「障害」を持った子どもたちも招き入れることに取り組みました。家の中でひっそりと暮らしていた子どもたちにも「教育の光」を与える試みを始めたのでした。

この、当時の日本で最も先進的だった教育機関・林町小学校では、その教育方法でもいくつかの新しい試みがなされていました。

子どもたちには、大幅な「自治権」が与えられていました。
子どもたちは自らの手で「子ども会」を組織し、自らの代表を選び、自分たちの意思を学校運営に反映させろことが許されていたのでした。

さらに、子ども自身の教材が学校に揃えて置かれていたり、一日二時間の自習の時間が設定されていたりしました。

また、文化活動も奨励され、演劇活動や作文教育活動などが活発に行われるなど、その教育実践は広く注目されたということです。

(郷土教育704号より)

-M.N-

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