小石川林町の「コドモ社」から出された子ども雑誌「童話」からは、何人かの童謡詩人が生まれました。
その一人に「金子みすず」がいました。
彼女は、大正十二年ごろから、次のようなやさしさあふれる童謡を投稿し続けて注目されていましたが、若くして自からの命を絶ってしまいまし
大 漁
朝やけ小やけだ
大漁だ
大ばいわしの
大漁だ
はまは祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
いわしのとむらい
するだろう
土と草
かあさん知らぬ
草の子を
なん千万の
草の子を
土はひとりで
育てます
草があおあお
しげったら
土はかくれて
しまうのに
つもった雪
上の雪
さむかろな
つめたい月がさしていて
中の雪
さみしかろな
空も
じべたもみえないで
下の雪
重かろな
何百人ものせていて
(「郷土教育」711号より)
-中村光夫-
その一人に「金子みすず」がいました。
彼女は、大正十二年ごろから、次のようなやさしさあふれる童謡を投稿し続けて注目されていましたが、若くして自からの命を絶ってしまいまし
大 漁
朝やけ小やけだ
大漁だ
大ばいわしの
大漁だ
はまは祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
いわしのとむらい
するだろう
土と草
かあさん知らぬ
草の子を
なん千万の
草の子を
土はひとりで
育てます
草があおあお
しげったら
土はかくれて
しまうのに
つもった雪
上の雪
さむかろな
つめたい月がさしていて
中の雪
さみしかろな
空も
じべたもみえないで
下の雪
重かろな
何百人ものせていて
(「郷土教育」711号より)
-中村光夫-