一人っ子のかれは 家に帰ると 遊び相手がいない
自ずと一人遊びに 没頭する
今 はまっているのが 「デュエルマスターズ」
トランプのようなカードを使ったゲームだ
どこで情報を仕入れてくるのか分からないが
次々と新しい遊びにはまり込む
最初はコロコロ(漫画雑誌)付録についてたという
そっか 漫画か…
「友だちは 100何枚も持っているよ!」
「ファミマに売ってるんだよ…」
貯めた小遣いを持って 初めて一人で買いに行った
他の子は もうとっくに「お使い」が出来るのに…
温室育ちの「ぼく」は ようやく必要に応じて
「初めてのお使い」を達成!
カードの数が増えると 並べながら何やら独り言
ゲームらしきものを 一人でやっている
本来なら 複数人数でやるべきものかも…
しかし 家族の誰に頼んでも 相手をしてくれない
「じいちゃん やる?」
「やんない! 忙しいから」
いつも断るが 毎日 言われると
「忙しい」は 言い訳でしかなくなった
「いいよ! やるけど やり方が分からないから教えて」
「詳しく書いてある本 見る?」
そんなもの見てまでやる気にはなれない
並べてもらって 教わりながら 適当にカードを動かす
話を聞いても 何が何だか分からない
こんな複雑なルールのゲーム よくも 覚えられるものだ
興味が そうさせるのだと思うが
何故 そんなものに魅かれるのか 全く分からない
一人じゃつまらなそうだから
兄貴の役でもやってやろうと思ったが
これじゃ 結局は ジジイの役で終わってしまった
-S.S-