<シジュウカラ(四十雀)を見ようと思って>
やっと名前を覚えたシジュウカラを見ようと思って、公園内を歩いていると、「ゴイサギ」がいるよと声をかけられた。
「ああ、ゴイサギ、仙川で見ているよ」と一瞬思った。
でも、それは仙川で見たシラサギのことを頭に描いて、「ゴイサギ」だと思いこんでいた。
思い直して、「ゴイサギ、どこですか」と聞くと、あそこだよと指さす。
「ありがとうございます」といって鳥をみようとしたが、見つからない。
シラサギを頭に描いているから、白い鳥がいるものだと思って目をこらすのだが、見つけることができない。
<ゴイサギ(五位鷺)があんなところにいる>
「ゴイサギ」はシラサギではないのだと思い直し、目をこらした。
ようやく女性像の足もとに「ゴイサギ」を認めた。
先入観って恐ろしい。
それにしても、あんなところにいる。
「ゴイサギ」はちっとも動かない。
仙川の痩せ細ったシラサギはザリガニを探して、しきりに動く。
太めのゴイサギは全然動かない。
死んでいるのか、弱っているのか、どうしたんだろうと思った。
午後2時頃に見たので、一応写真に撮って、他の場所に移った。
他の人々に「ゴイサギ」がいるよと声をかけると、「よく気づいたね」と声が返ってくる。
<ゴイサギはまだいるかな>
前日(2月16日)に見た、シジュウカラがいた場所に行った。
ところが、ぜんぜんそこにはシジュウカラがいない。
しょうがないので、園内をぶらぶらあるいたり、椅子に腰かけたりして、時を過ごした。
5時の閉門時間が近づいていたので、元気な時代の歩幅で歩いた。
歩き続けると、次第に身体が重くなって、息苦しくなって、気持ち悪くなってきた。
参ったねと思いながらどうにか「ゴイサギ」のいる場所にたどり着いた。
「ゴイサギ」はいるかなと覗くとまだゴイサギはいた。
翌日(2月18日)、いるかもしれないと思って神代に行ってみた。
残念ながら、もうゴイサギはいない。
このゴイサギは幼鳥なので、まだ茶色の羽毛だ。
成鳥になると色が変わる。
幼鳥とは違った鳥になる。
戸惑ってしまう。
「ゴイサギ」は夜行性なので、昼間は動かないという。
どおりで、じっとしているなと思った。
さよなら原発のパレードの日を忘れて、神代植物園に来てしまったので、「忘れていませんか」と友人から携帯に電話がかかってきた。
あ、いけない。
―Y.K―