心のよりどころ。毎日が日曜日。

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目的を見失わずに

2010-05-01 18:43:41 | 生きる智慧

今回は禅語の話をします。「忘筌」(ぼうせん):目的を見失わ

ずに。と言う意味だそうです。

「意を得て言を忘れ、理を得て教を忘るるは、猶(なお)、魚を

得て筌を忘れ、兎を得て蹄を忘るるが如し」と言う言葉がある

そうです。「筌」(せん)は竹を編んで作られた「伏籠」(ふせご)

と言う漁具。「蹄」(てい)は、兎捕りに使う罠です。筌や蹄は魚

や兎を捕る大事な道具ですが、しかし、それらはあくまでも道

具であって、目的は魚や兎です。捕らえてしまえば、道具はも

う不用であり、どこか得しまって於けばよいものです。

これは禅者の心構えです。禅者は悟りを得ようとして弁学修行

に励みますが、仏意を得、真理を会得すれば、修行の手段方

便として用いてきた教説や言説はもはや不要であって、いつま

でも理屈理論にとらわれてはならないと論しています。

「意(仏意)を得て言を忘れて、「理(真理)を得て教を忘れる」

態度であり、魚や兎を捕まえた後は筌や蹄などの道具を片付

けるのと同じことです。

私達の日常を振り返っても、人生の大事なことを忘れ、枝葉末

節にこだわったり、執着したりすることが多いのではないでしょ

うか。そんな時、あらためて「忘筌」の語を味わい直したいもの

です。確かに、その通りのことが日常生活の中に、変にこだわ

ったり意固地なったりすることがありますね。要は、小さなつま

らない事や、自分勝手なことに執着していては人生は開けない

と言うことでしょうね。反省・・・・・