斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

北九州高専訪問2

2011年02月09日 21時05分09秒 | 高専訪問記
北九州高専訪問報告第2段です。
北九州高専には、地元北九州市とその周辺地域から学生のほとんどが集まります。要するに大票田をかかえていて、かなり宣伝のしがいがあるということです。もちろん、そのまた先にまで高専の紹介に回っているようでして、先生方はアクティブに動いています。

とはいっても、やはり地元の知名度もさることながら、愛されていないとなかなか人気は維持できないわけで、北九州高専では、積極的に地元に運動施設を開放したり、部活のコーチに地元の方を招いたり、市民がキャンパスの中に入り込む工夫をしています。


学生が高専に入って、ほんものの技術者教育を受けなければ意味がありません。
北九州高専では、実習工場に案内されました。実習工場では、さまざまな工作機械の操作方法を勉強するのですが、「ロボコン大会のロボットもここで作られるのです」と案内していただいた先生に教わりました。そこまでは「ふ~~ん、そうですか」程度の感想でした(どの高専でも似たような活動をしています)。「北九州高専のロボットはCADでしっかり設計してから、工作がはじまります。だから、完成してからの微調整をしなくてすみます」という説明で、「おおなるほど、少し味がでてきましたね」と思いました。その次、射出成型器(溶けたプラスチックを型に流し込みプラスチック製品を作る機械)の前で、透明な部品を見せてくれました。「これ、小さなちょうちんなんです。少し前のロボコンのロボットに学生がたくさんちょうちんをつけたい、といって、百個くらいこれで作って、ロボットにつけたんですよ」と説明されて、目の前が急に明るくなりました。「そうか、これが高専だ。プラスチックのちょうちんなんて、どこからか購入してくるのかと思っていたが、ここまで自前でつくるのか!」



全国のロボコンファンの皆さん、ロボットの動く部分に目がいっていたら、まだまだ高専を理解していないということです。この、ディテールにこだわって完成させるのが、まさに高専ロボコンの真髄です。(といいながら、そういうことを知らなかった自分もまだまだ高専を理解していないということです)


今回は、普通の学生食堂ではなくて、寮の食堂でお昼ご飯を食べました。今日の献立は、炊き込みご飯とそばのセットでした。炊き込みご飯の量は自分でよそって決められます。超大盛りのラーメンどんぶりくらいあるどんぶりから普通の茶碗サイズまで好きに選ぶことができます。そばは量が決まっていました。



ここでは、寮生たちの元気な声を聞くことができました。「失礼します」と入ってきて、「いただきます」、「ご馳走様でした」の声は半端でないくらい大きな声です。男子学生も女子学生も大きな声でした。頼もしいですね。若いころから、蚊のすすり泣くような声では、台頭してきているアジアの若者に負けますよ。聖人君主のようにおしとやかにやって生きていけるほど、世界はやさしくないということです。

北九州高専の皆さん、たいへんお世話になりました。これからも地域から愛される高専として、ますますご活躍ください。

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