斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

思い込み

2014年08月11日 07時09分26秒 | 水難・ういてまて
台風シーズンに本格的に入っています。
海で流されたという話を聞くとすぐに離岸流だと決めつける人が世の中にいるのですが、もっと怖いのは風です。
このところの流された事故を解析すると、浮き具につかまっていた(乗っていた)子どもが流されたときのその場所の風速をみると、風の強かった場合が多いのです。

たとえば、ビューフォート風力階級(0-12)でみると、陸上ではたいしたことのない風力3で風速は1.6~3.3m/sです。秒速3mの風が吹くなど砂浜では当たり前ですが、浮力体にのって自分が帆の代わりになれば、秒速3mで海の上を動くことにもなりかねません。あっという間に遠くに移動します。離岸流などと比較にならないほどのスピードです。

台風が来て、風速10 m/sの風が常時吹く海上にボードでサーフィンに出れば、波には自信があったとしても風で流されたらどうしようもありません。つまり、怖いのは波よりも風だということになります。

水中に体のほとんどが沈む水泳と体のほとんどが水上にでるレジャーでは流される要因が根本から異なることに気を付けなければなりません。

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