斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

用水路における水難3

2017年01月23日 06時22分18秒 | 水難・ういてまて
朝日新聞のデータベース聞蔵IIで、用水+死で2013年から2016年までの新聞検索をかけました。なお、新聞記事ですから、すべての事故を網羅しているわけではありません。さらに、受傷ですんだ例についてはほぼゼロ検索ですので、ケガをされた方に関する件数は、これの100倍くらいあると推測できます。

自転車などを運転操作している時に発生する件数が多くなります

22件(10月ー4月,36件) 自転車等22
20件(5月ー9月,40件) 自転車等11・耕運機9

自転車に乗ると行動範囲が広くなり、用水が生活圏から遠くても事故現場になりうること、速度のついた状態で落ちるため、受傷を経て溺死に至る可能性が高くなります。

夏場の耕運機に絡む事故では、耕運機など機械の下敷きになる例が多い。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

用水路における水難2

2017年01月22日 06時20分19秒 | 水難・ういてまて
朝日新聞のデータベース聞蔵IIで、用水+死で2013年から2016年までの新聞検索をかけました。なお、新聞記事ですから、すべての事故を網羅しているわけではありません。さらに、受傷ですんだ例についてはほぼゼロ検索ですので、ケガをされた方に関する件数は、これの100倍くらいあると推測できます。

男 58人 女 18人

0-9  9人
10   1人 
20   0人
30   1人
40   2人
50   3人
60   14人
70   17人
80   25人
90   2人


幼児と高齢者、特に60歳以上の死亡リスクが高い事故といえます。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

用水路における水難1

2017年01月21日 06時13分20秒 | 水難・ういてまて
朝日新聞のデータベース聞蔵IIで、用水+死で2013年から2016年までの新聞検索をかけました。なお、新聞記事ですから、すべての事故を網羅しているわけではありません。さらに、受傷ですんだ例についてはほぼゼロ検索ですので、ケガをされた方に関する件数は、これの100倍くらいあると推測できます。

 1月 6件
 2月 3件
 3月 6件
 4月 2件
 5月 11件
 6月 8件
 7月 9件
 8月 6件
 9月 6件
10月 2件
11月 4件
12月 13件

用水の水が急に増える5月とほとんど水が流れない12月に件数がピークを迎えます。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

用水路における水難

2017年01月20日 22時07分32秒 | 水難・ういてまて
このような調査の依頼があったので、まとめてみました。

水難の中でも、かなり難しい分野に感じました。現場の水深がどちらかというと浅いこと、そのため水難に至る過程において重篤な受傷を併発していること、が特徴です。

また、転落の形態や発生頻度についても地域によって大きく分かれます。
1.用水が生活圏にまで張り巡らされている地域
2.ほどほどに用水が張り巡らされている地域
3.用水よりはため池の多い地域

転落が主な原因となりますので、転落防止に力を入れないとなりません。転落してから浮いて待てというわけにいかないのが用水における水難です。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NHKナビゲーション「身近に潜む危険 用水路 ~多発する溺死事故~」に関する補足説明

2017年01月20日 20時00分05秒 | 斎藤秀俊の着眼
今回は、25分間の尺でかなり長めの解説番組ですが、私自身がスタジオ入りする訳ではなかったので、ちょっと補足説明をしたいと思います。

今回のポイントは、生活圏に危険な水辺が潜んでいるかどうか、という点です。同じように田園地帯である長岡市では、幅の狭い用水路に落ちて亡くなる例はほとんどありません。

長岡市の典型的な田園地帯の航空写真を見てみましょう。
田んぼと住居がきれいに分かれていることがわかります。


一方、富山県南砺市では田んぼ(畑)と住居が混在していることがわかります。


今回調査した限りでは、自宅のすぐ近く、自宅内で流されてしまった例が目立ったように思います。
こういう場合は、特に用水路をまたぐような形になるようなときに落水の危険があります。つまり、用水路をまたぐような形で暗渠になっており、そこに暗渠があると思って踏み出したら、用水路がそのまま顔を出していたというような事故形態です。「またぐ」というのは、道路から自宅に戻る、作業中に対岸にいかなければならない、という状況であり、この場合、長岡よりは南砺のほうが転落のリスクが高くなることになります。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする