三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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オムニバス系1

2004-11-03 18:45:43 | モンスター映画
 ■ネクロノミカン■ 嬉しかったァ! 第1話、床下からドカンと突き出る一つ眼タコモンスター万歳。怖がらせる意気込みどっぷりなれどあの素晴らしすぎる造形には稚気もたっぷり。モンスター映画はああでなくっちゃ! たかが骸骨ゾンビの第2話でややボルテージ下がったあと、第3話またまたヌルヌルモンスター大出演で私ゃ狂喜しゃした。どん底に突き落とされた女警官の恐怖もリアリティ満点だし。全話ともラブクラフトらしい粘液×触手×血糊×霧霞の大盤振舞、おまけにエピローグでもこれでもかってクリーチャーの同士討ちをやってくれましたな、頭が内臓ごともげていきましたよ全く。大笑いして観入ってしまいました。最高!
 ■世にも怪奇な物語■ こ、怖い。これは怖い! 今までで一番怖かったかも。馬の第1話とドッペルゲンガーの第2話はど~でもいいとして、いやまあ寄宿学校のムードが妖しい第2話はサイコパス系アラン・ドロン投身の結末もなかなかのものとして、だ、第3話。あの恐怖はただごとではない。コワれた俳優に取り憑きまくる少女悪魔の容貌、その斜角映像は、あらゆる映画の中のあらゆるシーンの中で一番コぅぇぇェ。子どもの頃テレビで観てぞぞーっと鳥肌立ったトラウマはいくつになっても同じまま。不条理きわまりない首切断とボール=首拾いのオチに至るまで、闇と霧の陰惨ムードたっぷりと。ポオのコミカルな原作を思い切り歪曲した超傑作だ。
 ■妖怪天国■ 妖怪系2参照。
 ■怪談■ 1965年版。この映像美はただごとではない。ただしモンスター度僅少なのが無念。ほぼ不動の骸骨(第1話「黒髪」)、ゆきおんな(第2話「雪女」)、平家の武者幽霊と鬼火(第3話「耳無し芳一の話」)、杯の中と瓶の中の人間(第4話「茶碗の中」)とみてくると、モンスターと言い切れる決定打は不在でした。しかし雪女は流れがわかっていてもやっぱハラハラするし、耳無し芳一は色彩と細部が凝りに凝ってる(平家の亡霊たちは絶対まばたきしないもんね)。般若心経を全身に書いてくシーンなんかほとんど笑えますね。4話とも、照明の当てかたとか人工的な遠景とか舞台芸術のノリで通したところが成功の源かな。
 ■フロム・ザ・ダークサイド■ ミイラの第1話と黒ネコの第2話はど~でもいいとして、問題は第3話ですよ。わかりました「ゆきおんな」でしょ、と始めから見え透きすぎた展開。で案の定そのとおりになるのだが、雪女とは違って旦那を喰い殺しちゃうところが「え?」と不意をつかれたっけ。最後に魔物の浮彫に子どもが2人増えているところもうまいオチでしたね。というわけで土壇場でかろうじて駄作を逃れおおせました。