三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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魔界・悪霊系4

2005-04-09 03:51:40 | モンスター映画
 ■ヘルボーイ■ CGバリバリ典型的なヒーロー・アクションとくれば、「魔界系」としちゃ異端。アメコミっぽい脳天気系明るさの中、ヘルボーイの妙なクヨクヨウジウジが微翳添えててまた美味というか。オープニングの大期待度には今いち届きあぐねていた本編ビジュアルだが、ラストで見事大挽回しましたね。最後の大ダコが超美形だったんで。全編ちょくちょく登場のエイリアン+プレデターっぽいあの怪物群体だけでもなかなか楽しめてはいたところ(卵から幼体ponpon転げ出てくれるしさ)、なおかつ真打ちがあんなんだったとはな、タコったら最上部のオマケ触手群がもろラブクラフトでほんとたまりません。モンスター的に大々満足。ただあそこまで見せてくれたなら魔界の扉を全部開ききってほしかったよ。月蝕ってムードよかったし。あとちょっとってとこで目覚めちゃったからフラストレーション込み上げるじゃないか、本来どれだけのことが起こるはずだったんだろうって。まあそれだけ大ダコの造形が万全で自信作だったと? マ納得ですけど。しかるに肝心のヘルボーイはときた日にゃ、怪力と外見と単身ヒーローぶりっこ以外に目覚ましい超能力ってなかったんですかねえ。あとアクションは大振りのわりに緊張感欠如で減点。アそうだ、半魚人のまばたきのウルトラリアルさは極上だったっけな、あれは特筆しとかなきゃ。
 ■ガーゴイル■ 早くも冒頭で正直観る気萎えたんだよな。聖職者の血は神の血ですかい。あーバカバカし。直後の誘拐犯取り押さえ場面のいい加減さも相まって、とてつもなくアバウトな映画に終始しましたな。とにかく俺つくづく、キリスト教ものってダメかも。大のおとなが神様ごっこ演じてるのって心底アホラシくってついてけん。これ、悪魔だとか騒いで興奮してたのは聖職業界だけでガーゴイルそのものは単なる野獣でしたー、てオチならそれなりに楽しめたんだけど(悪魔に帰依した神父があっさり幼獣の群れに襲われちゃったわけだしね)、けっきょく野獣どころか真面目に業界メンバーやってたようだし。ビジュアルがよければまだしも観れたんだけど、CG浮きまくってたなあ。あと、男女ペアの刑事コンビって手垢つきまくった設定も食傷。ま、ここでは外部に女をもうひとり配して味を出そうとしたんだろうけどサ。
 ■デビルズ・ストーム■ こういうのはもうやめようよ。辛抱強く最後まで観る俺も俺だが。オカルトと災害パニックのハイブリッドとあっては新味あるかと期待したのも束の間。ストームだけで全編やってりゃそこそこいい線いってたものを。でなきゃジプシーに特に関連づけた以上もっと政治的なあるいは文化的な何かが絡むとかさ。一番の失点はまったく、例によりメインの男女が――くだらぬラブシーンが皆無だったのはまあ殊勝だが――たらい回し気味にあちこち調査してまわるブッたるみぶり。もういいよ、平凡な悪魔伝説は。それにしても竜巻に浮かび上がる顔がチャッちっかったなー。なぜか格闘の滅法強いカメラマンが奮戦するゆるゆるアクションのショボさすらかすむ勢いでしたよ、あの顔竜巻のチャッチさは~。