三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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ニュルニュル系3

2006-03-09 17:45:06 | モンスター映画
 ■デッドリー・スポーン■ 始まったとたん「この画質と音質じゃなァ……」萎えちったのだけれど(キャンパー青年二人の殺されざまったら冴えないし)、少しずつ普通に面白くなっていって画質気にならなくなって。いわゆるインディーズ映画だそうですがなるほど極B級臭たっぷりですな。なんたってモンスターの造形一つで盛り上がってる映画ですね。造形一つというか、幼体と成体といるしな。いやぁ素晴らしい。顔にゃクチしかなくて音にのみ反応、って原始的な地底生物味がよい。つうか宇宙生物でしょうが? 地球の音波に最初ッから適応してるんかよ。って適当さがまたこの怪物に似合ってるというか。何かもたついたテンポ、造形のわりにぎごちなさすぎるモンスターの動き、いまいち詰めの甘い血飛沫スプラッター、そもそも襲撃の瞬間が節約されすぎてるよぉぉなどなど、低予算をカバーする工夫にすら限界が露呈しちまってるんだけど、それが却ってリアルさに貢献したかも。幼体モンスターが泳いでるシーン連発には私ウッホーーッて大喜びさせてもらいましたが、おばちゃんたちがモンスタージュース飲んで順番に顔しかめるシーンから消化器路線に行かずただちに普通のふくらはぎガブリ路線に切り替わっちゃうあたりどう見てもヌルかったよねと。オバチャン連誰も死にゃしないし。ってムラも穴もある仕上がりでした。モンスターオタク少年の活躍も何かまだるっこしくて、だけどビチャッ、ついにこの映画ったら子ども殺したか~の直後じつは共食いでしたパターンといい、序盤のいきなり手が肩に型ショッカーのパロディといい、ラストいかにも開き直った大道具然たる巨大ラスボス出現といい、黙って笑うしかない名場面がウム、こうして思い出すと有り余るほど挙げられるわなあ。やっぱ傑作かも。うん、傑作でしょう。思えば地下室始めっから浸水しちゃってあんな湿った壁に実際血が飛び散っていようものなら……いやいろいろ理屈つける必要なんかない、話戻すけどモンスターの造形の時点でこれ傑作。それに尽きる。ジャンル王道を危なっかしくも無骨に演じきった、傑作中の傑作とすら言っていいかもしれません。いやほんと。
 ■吸血怪獣ヒルゴン■ あら、これでおしまい?てな脱力エンディング。ま、昔のアメリカン・モンスターパニックってみんなそうっちゃそうだけど。しかしヒルのお化け(つーかタコなんだよな、吸盤だらけのあの図体は)がプカ~~と沼に浮いたところで呆気なく。何の盛り上がりもオチもナシと。まいいですけどね。4人のうち1人だけ浮上の遅れた女はもしかしたら虫の息で生還かと思ったけど、結局死亡みたいね。とくに一人だけ遅れてた意味は無しと。沼の底にああいう空気入り洞窟が、てとこが売りなのかもしれん。ボートの下からわーっと襲ってくヒルゴン(て邦題やめてよね)の図には嬉しくて笑っちゃったけど、後はあんまり、というか一度も全身見せてくんないのね。たったあんだけの局所的ダイナマイト爆破で沼全体をスキャンできるなんてずいぶん便利な沼だったけど、うん、そうだよ、何か決定的に足りないと思ったら、ワニよ。ワニとの闘いを一度も見してもらってないのよ。あいつのせいで何百匹ものワニが消えたって設定なんでしょ? 話にずいぶん出てたんだから、ワニ方面きっちりまとめといてほしかったなあ。