三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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オカルト系10

2006-03-24 06:53:25 | モンスター映画
 ■スケルトン・キー■ お屋敷モノとしてはなかなか緊張感あり、ただ黒魔術特有のアイテムがなんだかんだ煩いのと、ホラーで始まっときながら普通のヒロインアクション寄りになっちゃってるのがどうもな。ラストで一挙に「あ、循環モノだったか……」と判明するあたりはそりゃニクイわな、傑作風情だわな。縛り首の因縁話ンとこのあわわわわ……って痙攣場面も「そういうことだったか……」的感覚で頷かせてくれたし。この繋がり感って捨てがたいものがあるよな。そりゃ因縁場面はもっとおどろおどろしさが欲しいところで、全編ホラーとしちゃナマヌル系だけど、雰囲気は十分だったんじゃないでしょうか。ミステリータッチになってるんで俺てっきり、「えーとこれ、被害者装ってる爺さんのほうが実は封じ込められた悪魔かなんかで、勘違いして爺さんを救けたヒロインがせっかく悪魔封じを成し遂げていた婆さんの努力を無にしてしまうんだろうな、きっと」ってパターン予想してたんだけど、違った。で、結果としてわかんなかったとこいっぱいあるわけで、そもそも入れ替わった後の肉体を活かしておかなきゃならん理由って、何かあるんでしたか? むろんそれだからこそヘルパーとして住み込みができたわけだけどね、そんだけのためか? ラスト、救急車で二人して運ばれてったけど、なんか含みがあるんですかね。ま、ともあれ最初にして最大の被害者だった二人が高笑い、しかもひそかに高笑い、ッて凝った構造はなかなか後味いいんだか悪いんだか、変な映画でした。どっちかつうといい意味で。
 ■ノロイ■ 正直けっこう引き込まれまして。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の二番煎じとしては『チュパカブラ・プロジェクト』(オバカ系3参照)よりずっとずっと良いですね。あっちがオバカにもなり損ねていたのに対し、こっちはオバカにならずに済んだ結構真面目系で通せてましたっけ。くだらんドラマ仕立てのJホラー百編観るよりこういうほうがずっといいですわ。ドキュメンタリー仕様ってよりコラージュ仕立てが私ゃ気に入ったのかな。バラエティ番組に超能力テストに近所取材にと目まぐるしく変わるテンポが心地よいですわ。ただなにかね、全体もうちょい演技うまくできんもんかね、いやさ、アポ無し取材だったりするんだから、普通に言い間違えたり、トチったりしていいじゃん。滑らかに行き過ぎだわ。とくにメインの作家のレスがいちいちうるさいね。表情とか他の面じゃうまくやりおおせてる人なのに惜しいよ。あとラストがねえ。霊能者が乱入して子どもぶん殴るとこから奥さんが火ぃつけるとこあたりね。執拗にカメラが光景を捉えつづけてるけど、チョイ無理でしょう。ハイライトだってんで省略には忍びなかったのかもしんないけど、もっと乱れるよねえ。それまでんとこでは画像の乱れを結構うまくフィーチャーしてリアル感出してたんだから、いかに実録作家が映像確保に執心してたこと強調したいからって、現場の混乱がそれにまさるようでないと台無しよ。でもまあ、うまくできてたんじゃないかな。二度目の村訪問でイヌがいっせいに消えてるあたり怖かったしさ、ハトなんかほんとに殺してるっぽいし、胎児が群がる心霊映像は森から二人とも生還してきちゃうのもったいないくらいだったし。住宅街に普通に住んでるデンパどもキチガイどもがああいう具合に互いに辻褄合ってたらおっかないよね、ッての全般伝わってきてるし。ま~定番の土俗性っちゅうか、ある意味ありきたりな鬼祭りの雰囲気なんか付け足し程度にしか見えないトータルの出来映えでした。モノスゴーク良いわけじゃないけど、確実に小傑作の域。