三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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フェイクドキュメンタリー系4

2011-03-10 03:55:00 | モンスター映画
 ■パラノーマル・アクティビティ第2章■ やっぱ俺、このシチュエーションにゃ弱いわ。夜中に目ぇさめてベッド脇に人が立ってるって幻覚(あるいは夢)見た経験あるせいかね。ていうか誰だって寝てる間にいろいろやられた日にゃ怖くてたまんないでしょ。ただなんつうかな、前作でもそうだったけど、「撮るな」「撮らせて」「だめ」「頼む」のやりとりがウザ過ぎる。「あたしのせいだっていうの?」のカラミもただああいうの入れなきゃって義務感で進んでる感じ。この手のホラーのモチベーションからして、ああいうとこで無理に揉める必要はないだろうよ。しかも姉はわかってるんだから。自分に何かが取り憑いてるらしいってこと。わかってるからこそああやってごねてるんだ、なんて心理描写気取りはちょっとな。むしろわかってなくて後から「そういえば……」って方が効果的なんだから。前作に比べてラストがしつこいけど、まあ前作のラストがあれだったから完全になぞるわけにもいかないからしゃあないわな。しかしああいうの見るたびに警察だよなあ。お祓いなんぞ頼む暇あったら警察呼べって。超常現象に警察ぁ取り合っちゃくんない、ってお約束でホラー映画が可能になってるんだろうけど、んなもんあんだけ映像が揃ってりゃ住居侵入容疑で十分でしょ。ま、たしかに警察出動じゃ密室ホラー色消えちゃって面白くなくなるからなんつぅかな、警察呼べない事情でも用意しといてくれるとよかったんだがな。あとそうね、お父ちゃんの影が薄かったのが惜しまれるかな。どのみちキッチリ殺されてるんだから思いっきり凄めの死体をいっぺん見してくれるとかさ。あとは霊感少女のゲロだか泡吹きだかをもっと切実にアップで見たかったってのと。で、安置所の遺体は何だったのかな? あとなんかよくわかんなかったんだけどあの家二階に上がる階段が二つあんの? 鏡に階段が映ってただけ? とにかく姉弟の寝室の位置関係がいまいちよくわかんなんったです。わかんなかったのが逆に効果的だったりも。あっそうだ、十字架が燃えるあたりの一連の、窓ガラス割れたりとかね、あのへんの雰囲気は絶妙だった。これは言っといてやらなきゃ。
■パラノーマル・エンティティ2■ 全然ダメだな。前作は結構ビジュアルに工夫があったんだが今回は見どころなし。全員がただワアワア騒いでうるせーったら。異変(っても音がしたとか扉が閉まったとかほんとたわいない……)が起こるたびにもうやめよう帰る帰らないのやっかまし~口論。いっぺんに喚くもんだからせっかくの心霊スポットの雰囲気も冷めちゃってるよ。ていうより殺人犯だか犠牲者だかの霊って設定が全然生かされてなかったな。殺人現場ならそれらしく普通の心霊スポットとは違う何かが起こるべき根拠を期待したのにさあ。しかも何も特別なことぁ起こりゃしないし。始めっから心霊現象確信して調査にやって来たはずなのに何だよ、神妙なツラで「ここではたしかに何かが起こっている」しか言えねーですか、何度も何度も同じ口調で。プロフェッサーまでが。「編集したものである」って最初に断ってんだからああいう冗長なとこ消しとけよって感じ。いくらモキュメンタリーだからって怒るよもう。あと画像の乱れは効果考えて残しとくのも理解できるけど、色合わせの画像はやめといてってば、わざとらしすぎ。未編集ってならリアルだけど。あとみんなのおっ死に方ったらアップが一つも無いでやんのよ。展開もぐだぐだ、視覚性も地味って、結局何見りゃよかった映画なの? 作り物じゃなく遺留品だから仕方ないじゃんとでも? 馬鹿にしないでね。
 ■第三種接近遭遇■ 遺されたビデオ映像と再現映像を組み合わせた、と言いたいなら、その二つの部分の役者を替えなきゃダメでしょう。おんなじ人が出演できるはずないでしょうがよ。あの『ノロイエ』ですら顔モザ処理でそのあたりクリアしてますよ(あれもなんか同じ人だったみたいだけど)。この映画がもし人物替えてたら傑作になったはず。ったく惜しいよ。雰囲気いいんだから。9歳の子ども相手に大のおとながムキになって脅したり怒鳴ったり、なかなか理不尽な暗~いムードがなかなか期待させて、うん、出番は終盤ちょこっとしかなかったけどエイリアンどもったら知能あるんだかないんだかわけわかんない動きと造形、けっこうイケてたっけ。
 ■無残画■ リポーター女性の豹変ぶり(ていうか素への戻りぶり)が見ものだった、ってのだけ強烈に覚えてるんだけど。あと忘れちった。でもあれだけで十分だったよ。廃屋(だったかな)のムード満点だったし。わざとらしさが目につきまくったけどなかなか見ごたえがあった記憶が。
 ■テレビ放送できなかった禁断映像 盗聴取材編■ えーと出演してる芸人、人気者なのかな? 訪問先で無反応で迎えられて「俺のこと知らなかったし」って。売り出し中なら売り出し中で、その立場生かした事件に仕立ててくれた方がなあ。結局盗聴なんかどうでもよくなったっていうか、あの風呂場の光景しか印象に残ってないというか。猫(だったかな、あれは?)の死体は何かホンモノっぽくて気持ちワル度高だったけど、あれ、全体とうまく関係してたのかな、どうだろ? ま、何が起きてたんだか微妙以上に不明なまま終わる構成は褒めるに値するのかも。でも結局なんとなく気味悪かっただけで、誰にも何も危害およんでないっぽいんだよね。この程度の話ならどっかで見つけてきてホンマモンのドキュメンタリーでやってよ、って感じ。
■テレビ放送できなかった禁断映像2 鬼畜セレブパーティ潜入取材編■ ああいう状況ほんとにありそうでリアルですね。でも盗撮がバレてああいう顛末、ってだけの話なんだよね。あっけないっちゃあっけないかも。ありそうな話だからこそ、ホンマモンのドキュメンタリーでやってよ、って感じかな。
 ■テレビ放送できなかった禁断映像3 コスプレイヤー密着取材編■ シリーズの中で一番面白かったです。入り込めた。『無残画』の裏返しみたいなシチュエーションだな。追っかけの豹変がやっぱ普通に怖いよ。男版〈超逆ツンデレ〉ですよ。シャレにならないレベルの。俺ああいう豹変ものに弱いのかな。でも後半、演出過多になっちゃったな。前半、AV女優(ですか? アイドルっぽくて好感持てたんですけど)がカメラマンをいろいろ叱るあたりまでは(うん、けっこう叱り方うまかったよ)ギリギリセーフなんだけど(でも叱られ役がずっと撮ってるのはなんかねぇ)、それと荷物引きずってく変質者(だったのかな)の姿が遠くに写り込んでるシーンなんか「ゾクッ」なリアルさだったけど、後半、いよいよとてもじゃないけどカメラ持ってらんないような状況で律儀に撮ってんだもんよ。ありゃ無理だよ、全力疾走しながらもってのは。テンポよく畳み掛けてくれたのにリアリティ激減で惜しかったな。それに「見たな!」は見当違いでしょ、どう考えても正当防衛だからねえ。人を殺したら無条件反射で隠さなきゃ、逃げなきゃがああいうドラマのお決まりってのはわかってるけど。たしかにホンマモンのドキュメンタリーでやってよ、ってわけにゃいかない流れだったけど、そういう流れ過ぎたなぁ。あとそうだ、モニター見たAV女優の事後コメントがけっこう冷静で、そこがリアリティ上げてたかな。
 ■テレビ放送できなかった禁断映像4 最新フーゾク取材編■ 人間が落下して地面に激突する瞬間って怖いよね。地面じゃなくていちおう床か。なんかほとんど地面みたいなロケーションだったけど。怖かったの、つか驚いたのあの瞬間だけだったんだけどね。風俗嬢の間でのイジメ、ってモチーフは絶対面白いんだから、そこだけでもっと掘り下げてくんないかなあ。人間関係となんか霊っぽい現象とがまぜこぜになって焦点定まらなかったよ。廃墟性もあんま生かされてなかったしなあ。
 ■実録心霊シリーズ 心霊投稿ビデオ 私たちは呪われた 山梨県 青木ヶ原樹海■ ちょっとちょっと。ヘタだよ、ヘタっぴすぎ。なんとかならんかったか。憑依の演技くらいもうちよっとさあ。定番の仲間割れもろくな科白ないまま「なんで俺のせいなんだよ」へ突っ込んじゃあ切迫感ないっしょ。お定まりの路線を急いでこなしてる感じで、霊も映りすぎっだって。あんなバッチシ人っぽいのが映っててどうして「霊だ」ってなるんすかね。常識的に「誰か人が。おーい」てなもんじゃないの? メインっぽい赤い女もしゃがんでたのゆっくり立ってくプロセスミエミエだし。これまた定番の霊能力強い女の子も泣きすぎでしょ。いくら霊が怖いって、泣くこたないでしょ泣くこた。女3人「帰ろう帰ろう」ってうるさすぎってば、ならチンタラついてくんじゃないよ、とっとと帰れよ自分らだけで、て感じ。人形も定番すぎるなあ。何もかもベタ、ベタ、ベタ。ベタはベタでいいんだけど、ヘタじゃ困ります。
 ■バトルフィールド TOKYO■ あの~一応現場が東京ってなってる以上日本人の役はちゃんと日本語しゃべれる役者使ってくださいよ。それといちいち画面を乱さなくていいから。乱れにしちゃ定期的に一定時間ってのもふざけすぎだし。タコの脚っぽいモンスターは結局、どういう形だったのかなあ。全体見せてくんなかったけど。あ~あ。
 ■心霊音 The Movie■ 本体のドラマがあるわけじゃないんでしょ、ザ・ムービーつっても。本編は最低、コメント部は見どころあり。どんな見どころって、とりあえず銀歯フェチの人は観る価値あるかもしんないです。女の口大好きの私、銀歯じゃなく唇でもなくひたすらあれフェチの現在だけど、こういう映像見せられると危うく銀歯フェチになっちゃいそうでしょうが。あんまり多種類のフェチは抱えたくないんだよ、薄まっちゃっちゃ困るからね。でも銀歯の彼女、予定外だからって理由でスッゲー不機嫌にインタビューに答えるわけで、もっとにこやかにやってくれたら萌えを超えて勃ちだったんですけど。って銀歯銀歯って期待させといて悪いけど、本作、大口開けての奥歯露出パターンは一度もありません。単に、美女(だよね、いちおう)の銀歯が何度もたやすく露出するだけの話です。普通に喋ってくれるだけで脇の銀歯バッチリ。それでよければ。
 ■TV放送禁止シリーズ 着信■ 「あの」放送禁止シリーズとは全くの別物。よくもまあこれほどレベルが違うものよ。つか何が悲しくて不細工な中年男の口元ずーっと見続けてなきゃならんの。話がちっとも怖くないっつのにこのジャンル特有のつっかえ口調多用したりゴクリと唾飲んだり、まったく見た目はっきり無理して深刻ぶった語りかたしてるのがどーしょーもなく空回りでさ。こーゆードキュメンタリー仕立てだとあんま怖い話にするとリアリティ減ると思ってんのかな。せめて語り手が女だったらまだしも観れたけどね。顔モザで音声変えててもいいからさ。口もと限定だったらつくづく『心霊音』の名作ぶりが思い知られるなァ。って観賞レベル落ちるとこまで落ちたね。
 ■幽霊インタビュー■ ふつうの人はそりゃ怒るよな、このテの映像ソフトってこういう不真面目な作り方されてんのかと思うと。いや、わかっちゃいるんだがね、これを心霊ビデオ制作の現状への自嘲的批評として観れば、それなりに気の利いたデータ提供素材になってるよってことは。しかしこいつらほんとにそういう批評意識持ってこれ作ったのかね。プロデューサー兼カメラマンの男とレポーターの女だけの即席取材だが(しかしねえ、「急に入った仕事」だの「予算ない」だの「台本今初めて見んの? メールしたはずだけど」とか、片手間のやっつけ仕事だってのそうあからさまに何度も強調すんなや、見てりゃわかるっての)、どうでもいいけどプロデューサーさんよ、「バシッと」「……んだけどー」「ちょっちょっちょっちょっ」しか語彙がないんかおまえは。しかも喋りすぎ。意味のないことを。「幽霊屋敷」の門前で未編集のNG断片ダラダラ流したあとヘラヘラしながらのインタビューだの公園のブランコで団子食ってる場面だのそば食いながらの無駄話だの入れて、「全長版」と称してこういうのが「リアル」なんだと開き直られてもな。てか開き直ってるって感じがするほどリキ入っちゃいないし。家に入ってからもろくにまともなルポせんでただコエーコエー言ってるだけだし。プロ意識持てよ(持ってるふりぐらいしろよ)。幼女がいるってのはいいにしても、あまりにふつうの女の子すぎて二人と生身で会話しちゃったりしてて、いつのまにか座り直して絵描いてたり、霊信じてるやつは怒るだろうし、信じてないやつは笑うだろうし。巷の尤もらしい幽霊像をあっけらかんと覆してるとこが「新しい」って誇ろうと思えば誇れるとこだったけど、あの二人が仕切ってるかぎりは駄目だったな、ありゃ。
 ■覗霊■ これ、何年前だったか、大学院の授業で映示したんだけど、駄作ほどツッコミ甲斐で高揚感、の典型例かな。駄作ってより手抜き作。こんな手抜きが作品になっちゃうんだから楽なジャンルだなあ。『幽霊インタビュー』といい勝負だね。いや、こっちの方がチョイましかな、心霊映像をいちおう用意してるぶん。『幽霊インタビュー』にゃ合成画像の一つすら無かったんだからな。こっちはまだしも工夫の跡が見えるよ。しかし中でも学生諸君が「まさかあれがそうだとは」と唖然としてた映像は(つまりリプレイの前にどこが心霊なのかを当てたいわけですね)、窓際で喋ってる女の子の反射像が静止してる、ってやつね。『ミラーズ』や『封印映像 呪われた森』で使われたパターンの逆だな。しかし逆手をとったからって名案とは限らんでしょ。俺も最初見たとき「まさか、この静止像ってこたないよな……」と思ったのだが、モロあれが種明かしじゃいくら何でも……。ま、微笑して許してやれよ系かね。あとあれだな、ともかく人物のまわりゴッソリ風景がモザイクになってるシュールな映像(意図的にシュールにしたわけじゃなさそうだが)が続いたときのウンザリ感が妙にしこりみたいに残ってます。ゴミも窮まると記憶に残りやがるなァ。