三浦俊彦@goo@anthropicworld

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未練・怨念系5

2011-03-14 02:21:00 | モンスター映画
 ■憑依hyoui■ これは怖い……! なんだか知らないけど怖い……。どうして怖いんだか。なんともわかんないとこが怖いね。設定も普通なのにねえ。因縁が子ども時代の朧気な、というか自ら抑圧した記憶に関係してるとこが怖いのかな? あるいは妻を演じてる女優がえらくそっくりなのが「ゾクッ」ときたのかね、俺個人に対し。あ、そっくりって、私が昔せっせとストーカーしてた対象になんだけど。いや、ストーカーって、絶対悟られないよう、迷惑かけないよう注意してやってましたんで。昨今のストーカーとは違うよ。でもあの女があの顔で憑依されちゃうんじゃリアルすぎるってもんだよね。猫が殺されたり。顔の見えない父親の正体不明ぶりが作品全体にじわじわ染み込んできたり。そのわりにほとんど男の一人芝居も同然のシンプル構成だが、やっぱ大勢がギャアギャア騒ぎまくるのはホラーじゃない、ただのエンタメだってこと逆照射してくれてるね。ホラーって結局リアルなのが怖いんだな。ってこともわかったのが収穫でした。文芸的ホラーの貫禄ありです。とにかくすみずみまで染み込んでるのね、恐怖成分が。風呂場の水音とかもいちいち怖かったす。
 ■モンスター・ハウス■ 私は支持するよこれ。面白いよ。かなり面白いよ。冒頭から自転車の女の子がアホ可愛くて笑えたよ。すげーよ、いいよこれ。出来上がってますよ隅から隅まで。職人芸の模範だよ。いーよいーよばっか言ってても埒あかないけど、ほんとなんも考えずに見るに最適よ。でも住んでるおっさんの曰くありげ感が強制的に考えを誘うのね。強引に誘うんで、自ら考えなくていいの。子ども向け特有の快感だなあ。癒されるわ。おっさんが突如しんみり系に変化するのもツボですし。とにかく俺、こういうの大好きです。子どもらの結束も俺ら大人からみて懐かしさ満点だし、CGも素晴らしかったし、最後は家そのものがまるで怪獣だなんて。大賛成です。こういうのもっと観たいなあ。こういう作品バカにする人が多いみたいだから、ここで私はとにかく全面支持を表明しときます。
 ■ひきこ■ つくづく思った。CGアニメって、やっぱ顔の表情作りが不得意なんだな。振り向いたりする動作の描写もね。つまり人間を描くのがダメッてことだ。しかしあのギクシャク感がホラー的には有利に働いてたっぽいかな。実写の自由自在の恐怖顔よりも、CGの自発性を欠いたような神経麻痺っぽい表情って、そう、人形が怖いのと同じ理屈かね。肝腎のストーリーは結構うまく出来てて、お隣さんの児童虐待ぽい悲鳴や怒号に聞き耳立てるのに、なんで壁じゃなくて襖?って違和感合ったんだけどそうかい、そういうことだったですかい。ジャンルが怨念系から一挙にサイコ系に反転しましたな。でも結局あのずぶ濡れ女(あれが「ひきこ」?)何だったの? 「お姉ちゃん」って言ってたけど主人公の守護神っぽい役回り? それとも無差別の殺人鬼だったのかな? ちょっとわかんねーや。わかんねー方がいいんだけど。それとあれだ、脳天気な教師が殺されるとこは絵で見せてほしかったなあ。それとその直前のネコに関しても。あそこだけ実写にするとか。とにかくあの展開、サイコミステリーの傑作と言えるんじゃないかな。絵的には物足りなかったけどな。
 ■ラブリーボーン■ あれっ? 変だな。まるっきりフツーだぞ? ピーター・ジャクソンだってんで期待しすぎたかな。『第9地区』でも同じ「普通の映画だなあ」を味わわされてもうそこそこ納得せざるをえなくなったけど、これ観た頃はまだまだ不満が残ったよ。なんでPJがこういうのを?って。ファンタジーとサイコパス系のあいのこだけど、だったら『乙女の祈り』みたいな危ない感じが切実にほしいしさ。案内役のアジア系の少女がドブスだったのは残念。いや別に残念ってことはないが、しかしもうちょっとアジアンビューティーに近づけてもいいでしょうとか。ま、主人公自身がウエスタンビューティーじゃなかったんで仕方ないか。それにしても犯人に復讐するわけでもなく家族へのメッセージにリキ入れるわけでもなく、結局はボーイフレンドのことだけか。ところで犯人の死に方、あれでいいと思いましたけど? 世の中そうスッキリとはいきませんや。世の中あんなものだ、って進化論的真実を伝えてると子は評価できますな、この映画。あと三途の川的成仏直前風景がかなりスペクタクルだったこと。
 ■心霊写真部■ けっこう怖かったよ、俺はこれ。面白くて怖い。怖いのは「壱限目」の「心霊プリクラ」と「弐限目」の「落ちる女」だね。すべての話が続いてるから他の4つのエピソードも貢献してるんだが。「心霊プリクラ」のメイクと胴体切断はあれ相当うまい出来だよ。「落ちる女」は墜落テレビマンのゾンビ死体はお笑いだったけどストーリーが秀逸。霊は自分と関係ない人の不慮の死によっても活性化するってアイディア、真新しくないかもしんないけどここでは効いてた。壱限目では部員のふたりが大変なことになっちゃうパターンでそれが楽しみになったんだけど2限目ではそれがなくなってチョイガッカリ。逆に最初の頃は戸田れいのセリフがきゃんきゃんうるさかったけど後半は慣れたといううか気にならなくなった。3人がレギュラーにありがちな無意味な掛け合いに耽るようなこともなくわりと淡々と事件に向かっていく姿勢も好感度高し。それとところどころわかんないシーンがあってそれが思わせぶりで効果的だったんだが、例えば「うしろの手」でリスカ少女を救いに自宅に行ったとき母親がすごーく怪訝な顔したの何で? なんか意味あったのかな? そのあと二階で大騒ぎになってるのにあの母親全然見に来なかったしね。ま、あのへんはどうでもいいか。しかし根本のところでは、主人公の女子がべつに霊感強い設定じゃないのに入部以来やたら霊を見るようになったのはどうしてなんだか。他の2人には見えないときにね。だもんで、いつも屋上で話す女子が「こいつたぶん霊だな」ってのは最初から見当ついてたけど、「弐限目」のラストでそのオチが明かされながら、事情は伏せられてたなあ。このシリーズ、まだ続くのかな? なんか中途半端な終わり方だからね。しかし「マスク殺人鬼」ってこのドラマに必要なの? 屋上の女子が霊だってのは俺の予想当たったし、「黒いおともだち」でおねえちゃんがほんとは母親なんじゃね?って予想も的中したんだけど、そ、普通に観てれば予想通りの真相が明らかになってくってタイプの知的パズル的面白さのあるドラマなんだけど、このあと続編が出るとして、部長がマスク殺人鬼でした、ってオチだったら承知しねーぞ。それっていくら何でも安易だからね。
 ■ブース/Booth■ 幽霊なんかどうでもいいって感じだな。リスナーとのやりとりだけで引っ張ってほしかったよな。だってそっちの方が面白いんだもん。新人女子アナの豹変というかツッコミというか、かなり不自然なんだけど生還した先輩とすでに連絡取り合ってて、みたいなリアルな解釈しちまった。つまり霊なんてど~でもいいってこと。霊端折っちゃえばもっと面白くなったのにな、たぶん。不誠実男の自滅物語に徹して。あ、だけどほら、電話コードの絡みが首吊り縄思わせるあたりとか、収納の扉が何度も自然に開くとことか、何気なしーんが怖かったよな。ってあれも霊とは関係なかったか。
 ■プレイ/Pray■ 前半はものすごくよかった。女の子を誘拐して暗い廃校舎に連れ込んだナラズ者男女二人組が逆に被害者っぽくなるのっけからの展開は素晴らしい。しかし後半がねぇ。妹の霊と失恋女の霊がたまたま同じ場所で別々に活動してるってそれ、まあ展開としてアリなんだろうけど、それと最初の電話での「娘は死んでます」って親の返事だけど、あれ、あっちのえーと安田っつったっけ、女と2人で芝居なんかする必要ないっしょ。通話2人でしてるんだから。それと前半含めて、ピアノの音やスピーカーでのいたずらで効果出そうってんだから、BGMは無くしとくか最小限にしといてよ。ドラマ中の音なんだかBGMなんだか紛らわしいっつのよ。ともかくナラズ者青年らの間の裏切りやら何やら絡めすぎてせっかくの前半の異様なムードが台無しッてほどじゃないけどかなり薄まっちゃったぃ。ミツルの死に際の、妹との再会シーンも長すぎる。くどい。センス良くても通俗パターンに負けて駄作へ。こういう映画もあるんだなあ。妹の事情がもっと伏線的に知らされていればもっと印象よかったのかもな。むしろ霊媒に頼ってた夫婦の娘があの女の子じゃないってのがメインだったのかな。ま、ちょっとなんというか、始めの方のムードでずっと統一してくれてたら高得点だったのになの巻でした。「ウザイ……」って呟きはラストちょっと引き締めてくれましたけどね。
 ■デス・トンネル■ おいおいこれはズルいよ。広い意味での威かし系なのね。いきなりドカン、って。ま、私は威かし系を全面否定するものではありません。うまく作ってあれば十分評価すべき手法だとは思います。しかしこれはねぇ。現場の出来事に威かされるわけじゃないんだよね。カットバック、フラッシュバックでいきなり映像変わってビックリさせるのね。現場が急変してるわけじゃないじゃん、ただの編集じゃん。困るんだなあ、そういうのは。ただの光と音のマッサージショック療法みたいなもんだよ。で、話の持ってきかた自体はいいと思ったな。女の子たちの廃病院への移動の様子も省いていきなり本筋ってのも効率的だし、適度に意味わからなくしてスタイリッシュにさっさか進めていくとこも観てて快感。しかしカットバックがしつこいもんだから飽きてくるんだよ。「あ~あ……」って退屈してくるの。退屈しながら漫然と観てたせいか俺、最初の女がいつ殺されたのかわかんなかったよ。どうも階段のとこの首吊りの映像がそれだったんだな。てっきり昔の情景のフラッシュバックかと思ったんで。というふうに「現場で何が起きているのか」について混乱するほどに映像処理しまくってるんで、ストーリー重視の人は厭ンなるだろうなこの映画。ビジュアル重視の俺ですらうんざりしたんだから。
 ■都市霊伝説 霊視学園■ こいつもやたらカメラアングルと画面編集が凝ってたっけなあ。ストーリーもそれと同じくらいスタイリッシュだったらよかったのに。しかしこのドラマ、どっかで観たことあるような気がするんだなあ。たぶん観たんだろうな。しかしだいぶ前に観たような気がするんだよ。これ最近の作品だよね? 変だなあ。何かをパクッたのかな。先公が犯人でしたー、ってのも察しがついてたし。先公がヒロイン追い詰めるとこの呪怨的処理はいくらなんでもしつこすぎるよ。「私、実は殺されてました……」ってラストもたしかにどっかで観たんだよなあ。ま、いいか。
 ■リング■ むかし映画館で観てこんどDVDで観たのだが、ま、こんなもんかと。呪いのビデオをすぐ信じちゃって「あと何日しかない、あと何時間しかない」って離婚カップル二人で騒ぎまくるのが無邪気というか。井戸も二人だけで掘りなさんなよ、ふつう警察に言うでしょ、死体があるとなれば。どうしてもこういうホラーって警察呼ばないで自分らだけでがんばっちゃうけど、警察はもっと気軽にコキ使ったほうがいいよ、みなさん税金払ってんでしょ。原作はとてつもない傑作だったんだけどね。
 ■らせん■ むかし映画館で観てこんどDVDで観たのだが、ま、これもこんなもんかと。
 ■リング2■ えーと正直忘れちゃったよ。どういうのだっけ。
 ■リング0 バースデイ■ 自警団組んで山狩りなんて、明治時代の田舎じゃないんだから。劇場の中でああいうことが起きてるんだから、いくら何でも警察来るでしょうよ警察。貞子が二人に分かれた、って何? お母ちゃんの霊や鏡像をときどき出したりして、なんか因縁話を躍起になって作り上げようって努力が涙ぐましい。結局なんとか博士が貞子を井戸に突き落とした顛末ってたったのあれかい、てな感じ。あんだけ人がバタバタ殺されたあげくの「あれかい」的印象だから、やっぱ因縁話は隠しといたほうが正解、てことね。おどろおどろしいしがらみかと思いきやただのアクションでないかい、みたいな。
 ■あそこの席■ 怨念系でやりたいのか、サイコ系でやりたいのか、どっちも中途半端で終わっちゃったって感じですね。すべてが中途半端。ピアノに挟んで殺すシーンが2回もあるんだから、どっちかで思いっきりグロを展開するとか。いろいろやりようあったでしょうに。そもそもサイコ母子の言うなりに殺人を重ねてる高校生3人(4人か?)ってのがようわかりまへんな。何の義理もないでしょうに。それに2年足らずで3人も殺す連続完全犯罪なんてリアリティなさすぎですって。せめて幽霊をもっとおっかなく作ってくれてたら。そうそう、色ボケ教師の部で後半盛り上げる手もあったのになんであそこで止めたかな。「ワタシノセ……トラナイデ」のつまんない語呂合わせ(苦笑)に自己満足しちゃったかな。
 ■怨霊 鬼気迫る女の呪い■ チンタラチンタラ進むAV系E級ホラー。タイトルでわかるっちゃわかるんだけどストーカーものかと思いきや怨霊もの、それとこっちへのストーカーかと思いきや実はあっちへのご執心、って意外感はなかなかよかったんでないかな、脚本。しかるにそのアイディアだけで力尽きちゃったか、投げやりなラストったら。ベケットの舞台じゃないんだからさ……。
 ■忌み嫌われる家■ うっひゃー、クリアな映像だねえのっけから。そ、チープな意味でね。みるからにセットって感じのインテリア。本格映画作品じゃないってことがすぐわかる。テレビか、OVか。男女が歩くとボコボコいってるじゃんよ、どー見てもラブクラフトの舞台じゃないね。よかったのはBGMくらいかな。なんか抑えめのコーラスとか、いい雰囲気出してます。あくまで雰囲気だけなのな。タイムスリップ的フラッシュバックの準パラレルワールド設定、うまくやればゾクゾクものだったのになあ。だけどところどころ一応ギョッとさせられます。にーさんがガバッと壁ン中に連れてかれるシーンなんか、一瞬だけど「おっ?」と乗り出しちゃったもの。全部ああいうデザインで通してくれてたらなあ。やたら血ぃ流す場面は全部要らないから。あそうだ、この作品、あのポケモンのチカチカが駄目な人は要注意ってことで。
 ■オトシモノ■ あらーだめだなこりゃ。最初の20分くらいは「これいいかも!」と期待満々で見てたわけ。CGもちゃんとした使い方してるし電車止めたりそこそこ手間かけて作ってるな、と。しかしそのリキの入れようも結局はアイドル定位だったことが徐々に判明。類型的もいいとこの反応の羅列、ありえない背負い込み路線(警察に任せろ警察に!)、意味の薄い「女の友情モード」が無駄に時間費やしてベタベタのBGM込みでホラームードを寸断、ああなんとも困ったもんだな、さほど可愛くもないアイドルのためにこんだけ映画をぶちこわさにゃならんとは。ってあのヒロイン俺知らないんだけどどんだけのもんなの? あんま個性感じなかったけど。運転手との間の「じゃあ一人で行く」「待てよ」……定型も定型、見ちゃいられないパターンの羅列はよくもまあ。で、ストーリーは結局どゆことだったの? 「返して……」って何を返せって? ちいともわかりまへんよ。赤ん坊への未練かと思いきや自分の孫殺してどうすんだって感じだし。持っていきたかっただけ? ってそもそも最初に線路に引っ張られたのは何で? どーせ因縁の説明放棄すんなら始めッから理屈無しでぶっ飛んでろっての。あとさあ、話前後するけど、あんなハッキリ映ってる「黒い女の影」、さすがにアイドルがわめくまでもなくみんなちゃんと見えててくださいよ。