三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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オバカ系1

2004-11-14 00:17:50 | モンスター映画
 ■えびボクサー■ mantis shrimpだからシャコですか。ハリボテはよく出来てたな。フジツボついてたし、スリット眼はきらきら光ってたし。終盤ようやく走り回るところも微笑ましかったけど、ちょっとひっぱりすぎ。途中、カニ料理番組に興奮してテレビ殴って壁ブチ抜くってだけじゃなくて人間相手に一暴れするシーンを設けてくれなきゃ。最後のサメにパーンチがセンス光ってましたけどね。(オバカ系じゃなくコメディ系に分類しないとかわいそうかな、この出来は)
 ■リトルショップ・オブ・ホラーズ■ これほどまでミュージカルとは思ってなかったのでアイテテテ。『えびボクサー』とはまた補色関係の、異種間交流ものですな。しかし終盤に向かってモンスターホラーっぽく変色していって一応満足。壁を突き刺し床を裂き捲る蔓の威力はむしろ歴代第一級か。呆気ない感電爆発は御愛敬だが。最後にお約束も踏んで、まあハッピーエンドもよしとしましょ。モンスターっぽい歯医者がしっかりトッピングになってたし。(以上、1986年版。SFXの品質からしてオバカ系じゃなくコメディ系に分類しないと失礼かも)。
 ■恋する幼虫■ ちくしょう、俺こういうの好きなんだよ。ていうかなるほどぉ、オバカ映画はコメディだけじゃないぞ、ってか。盲点だったわ。女編集者の緩やかな豹変といい同窓会以降モテてた真相といいよく出来てましたよ。傷口からカニ爪は十分ホラーだしね。ただシリアスに気取りすぎたかな、だって井口昇でしょってわけじゃないが『ロリータ便器』なんかのナチュラルなノリで押し通してもよかったのでは。あと吸血場面でやたらテンポ悪くなるのも監督得意分野スカトロAV特有の「いざ」息詰めた待ち時間を思い起こさせる。『クルシメさん』って観てないんで『月光の囁き』を連想したのだが(あ、俺パンフにレビュー書いたんだっけ、なつかしいな)、最後のシュールな崩れ度は桁違いか。町中に伝染、てオチにはしない方がよかったと思うけどな。(あと土取利行のサヌカイト、あんなとこで使わないでよぅ)
 ■妖怪地獄■ 七不思議と言うからにはそれぞれきちんとエントリーしてほしかったョ。とくに天狗は結局出ずじまいじゃないか。カオルの常時狂いっぱなしはメリハリがなくて却って面白くないや。60年代ガクランネタならもっと笑えるはずなんだがな。「岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説」シリーズの他の巻も観たいって気にはならなかったな。
 ■うずまき■ ヒトマイマイや火葬場の渦巻煙(顔あり)が一応モンスター也、と認定したんですがかまいませんよね。ホラーでもないコメディでもないナンセンスでもない。中途半端を気取ろうにも不条理へ徹底できもしないど~しょ~もない代物でしたナこりゃ。鏡と蛇とやらの理屈を持ち出しかけた時点でアウト。まぁ画面の隅なんかにときどき渦巻が点る細かい配慮だけは感心しました。しかし紋切り型の台詞が多いし、秀一役の人なんかあまりに棒読みなんだけど、あれわざとやってるんでしょうか。ただド下手なだけなんでしょうね。
 ■寄性蟲 キラープッシー■ 股間からコンニチワ場面にしても血みどろおねえちゃんの追っかけっこシーンにしてもマ、あんなもんとして、クリーチャーは一番チビバージョンがうまく出来てましたね。最後の「キラープッシーは一匹も傷ついたり死んだりしてません」という断り書きは何でしょう。いずれにしてもオバカ映画の身の丈に合わせてこうしてちゃんと60分以内に収めてくれると気分いいです。
 ■妖怪令嬢 淫辱■ 「影の薄い」主人公が骸骨の影をひきずってヘビの影に襲われる、まあ図式としてはそこそこいいんでないか、ろくでもない極超低予算ものとしては。しかし肝心のヘビ変身場面はナシかい。18禁になってるらしいけどそれほどでもないよね。いややっぱり耳なし坊一状況で玉袋だけ浮いて玉フェラってわけだからマジイのか。

フリークス系1

2004-11-13 20:46:01 | モンスター映画
 ■キャッスル・フリーク■ 古城というセッティングゆえだろうか、鬼畜なハナシにしては全体、画像の格調が高い。細部もいいし(引っ張り込まれまいとふんばる猫の断末魔なんか超リアルでしょ!)。うーむ、それにしても救いようのない暗さだわい。〈夫が最後に我が身を犠牲に妻子を救ってやっと妻に赦される〉はまこと通俗なパターンなのだがやっぱりフリークのあまりの悲惨さが俗化を許しませんでした。つまりはなかなかの傑作ってことです。しかし最後、あれで2人一緒に落ちるのは無理だと思うぞ。絶対鎖か体が引っかかるって。
 ■バスケットケース■ ただの復讐劇じゃなくて兄弟間の嫉妬を絡めたところがまた暗ーくて傑作たるゆえんですね。粘土アニメーションの兄の動きはシュワンクマイエル的不条理を感じさせてフリークスってよりほとんど純正モンスター。もともとシャム双生児というよりどでかい人面疽みたいなもんだったわけだしね。分離手術のいい加減さも含めて、殺し方が一々不必要にエグいのも良し。兄貴の怪力の源は不明ですが。それと、あの黒人女だけは殺さずにパンツだけ奪ってきた兄貴の行動が不明でしたが。
 ■バスケットケース2■ ひたすらスーザンの胎児をもっとよく見たかった、の一言。胎児ノ大口と妊婦ノ笑顔との対比がすげえ映像作ってましたよ。あとベリアルのカップル以外の全員は、フリークスといっても顔だけなので、ちと、いやだいぶ不満が残る。それぞれが個性を発揮するわけでもないし。しかしまああの支離滅裂なほど救いなき結末は納得の一作と言うべきでしょう。
 ■バスケットケース3■ シリーズあとの方になるにつれフザケてきたというか、ほとんどコメディになっちまってるのがちょっとな。1のシリアスな暗さが懐かしいよ。まあ多彩なフリークスの群れは見てて飽きるわきゃないけど(今回は十二子出産コテコテシーンもあったしね)、結局、フリークス個々人の個性は発揮されずじまい。最後の工作ロボット操縦チャンバラなんぞあまり意味なかったのでは。いや、でも基本的に面白かったですよ。
 ■フリークス■ バスケットケースの元祖となる上半身だけのあの人、もっとよく見たかったな。なにしろ本物だし。あと髭女の出産は赤ちゃんをちゃんと見たかったな。あとシャム双生児の姉妹は裸体で見たかったんだけどそれはさすがに贅沢かな。雨の中の床下の追撃は迫力ありましたね。ドラマ面をもうちょっと丁寧にやってくれたら言うことなしなのですが。あと結末も。鳥女化のプロセスは飛ばさざるをえないとして、コビトくんのその後がわかりづらいし。
 ■パラサイト2000■ 陰鬱ホラー系2参照
 ■悪魔のしたたり■ まあフリークスっつってもコビトぐらいしか出てこなかったけど。集団襲撃人食いや脳味噌チューチューは巷で言われるほどスプラッターじゃなかったよな。まあ全体の不健康なデカダンぽいムードを楽しむ映画か。最後みんな死んじゃうところはすっきりします。
 ■フリーク・ハウス■ おーい。トッド・ブラウニングの『フリークス』がとっくにあるんだからもっと工夫しなきゃダメやん。フリークスの皮膚のアップも足りないよう。こんだけ人数出すなら、せめて『バスケットケース2、3』程度は見習ってほしかったよう。

不定形(ドロドロ・ネバネバ)系1

2004-11-11 01:11:40 | モンスター映画
 ■2020年の挑戦■ ウルトラQ参照。
 ■フューチャー・イズ・ワイルド 2億年後■ ドキュメンタリー系1参照。
 ■クリープショー2 怨霊■ オムニバス系2参照。
 ■巨大アメーバの惑星■ コンタクト系2参照。まあ例のあれ、最後は泡状の不定形になっていたけれど……。
 ■ファントム■ ムシ系1参照。
 ■人喰いアメーバの恐怖■ 昔の映画って、基本的には記憶よりガクッと落ちますね。当時としては不定形モンスターはあれが精一杯だったのか。でも塩酸ぶっかけられて一瞬変色するところはよかったですよ。しかしマックイーンってこのとき28? 正義感強い青年の役はいいけど、昔っから老けてたんだなあ。(床屋で客が頭をべちゃっとアメーバに突っ込まれる場面を待ってたんだが、出てこなかったところをみるとあれは『人喰いアメーバの恐怖2』(続人喰いアメーバ、だったかな)の場面だったんだろう)
 ■原子人間■ 宇宙飛行士2人はゼリー化したとのことだしその後のナメクジ模様の痕跡からしてもアメーバ型を期待したんですが、結局タコとサボテンのあいのこみたいな形に落ち着いちゃいましたか。豹やライオンも吸収しちゃった優れものだがまあそこは無理としてもせめてネズミを喰う場面は映してほしかったですよ。それにしてもじっとしたまま電撃一発で焼死とはあっけなさすぎないか。50年代イギリス映画じゃ仕方ないか。
 ■怪獣ウラン■ なっげーよぉ御登場までが。でやっとどろどろ迫ってきてくれたかと思いきや、いつのまにか古巣の地割れに引っ込んでじっと退治されるのを待ってる、ってか。50年代のイギリス映画ってのんびりしてたんだなあ。同年の日本の『空の大怪獣ラドン』のほうがずっと緊張感あるぞ(元素名がタイトルって共通点以外全然タイプ違う映画だけど)。しかしのんびりしてると言ってもこの頃すでに子どもを容赦なく殺してるんですね。前半でコドモ悶え死にます。そこだけは評価。
 ■宇宙からの侵略生物■ これも長すぎるですモンスター登場までが。つくづくしみじみ50年代イギリス映画~。中継ぎのタール人間は表面になすりつけてるだけでタール化してません。真打ちはもろヘドラというかグリーンモンスというか、人間が入ってることが丸わかりの動きってちょっと。最後の10分足らずじゃ消化不良でいけませんし。球形タンクを遠景にパイプラインが縦横束に走るあの工場風景そのものが一番モンスター的でかっこよかったかも。
 ■ゴジラ対ヘドラ■ ぷぷっ。これ、異色作だの何だの持ち上げる人いるようだけど、勘弁してほしいよ。ヘドラが空飛ぶのはいいとして、ビーム発射しちゃいかんでしょ、せっかくの個性が。ただでさえヘドロ状は飛沫部分のみに限られ本体は海草のお化けにしか見えないんだから。ゴジラが自力で空飛ぶにいたってはモウ論外。昭和ゴジラ後期シリーズってやっぱ今さら観るべきもんじゃなかったな。あ、でも前半の、試験管の中でオタマジャクシが合体するシーンだけはイケてましたです。あと、「ゴーゴー」などという死語を30年ぶりに思い出せたのも収穫だったかな。

オムニバス系1

2004-11-03 18:45:43 | モンスター映画
 ■ネクロノミカン■ 嬉しかったァ! 第1話、床下からドカンと突き出る一つ眼タコモンスター万歳。怖がらせる意気込みどっぷりなれどあの素晴らしすぎる造形には稚気もたっぷり。モンスター映画はああでなくっちゃ! たかが骸骨ゾンビの第2話でややボルテージ下がったあと、第3話またまたヌルヌルモンスター大出演で私ゃ狂喜しゃした。どん底に突き落とされた女警官の恐怖もリアリティ満点だし。全話ともラブクラフトらしい粘液×触手×血糊×霧霞の大盤振舞、おまけにエピローグでもこれでもかってクリーチャーの同士討ちをやってくれましたな、頭が内臓ごともげていきましたよ全く。大笑いして観入ってしまいました。最高!
 ■世にも怪奇な物語■ こ、怖い。これは怖い! 今までで一番怖かったかも。馬の第1話とドッペルゲンガーの第2話はど~でもいいとして、いやまあ寄宿学校のムードが妖しい第2話はサイコパス系アラン・ドロン投身の結末もなかなかのものとして、だ、第3話。あの恐怖はただごとではない。コワれた俳優に取り憑きまくる少女悪魔の容貌、その斜角映像は、あらゆる映画の中のあらゆるシーンの中で一番コぅぇぇェ。子どもの頃テレビで観てぞぞーっと鳥肌立ったトラウマはいくつになっても同じまま。不条理きわまりない首切断とボール=首拾いのオチに至るまで、闇と霧の陰惨ムードたっぷりと。ポオのコミカルな原作を思い切り歪曲した超傑作だ。
 ■妖怪天国■ 妖怪系2参照。
 ■怪談■ 1965年版。この映像美はただごとではない。ただしモンスター度僅少なのが無念。ほぼ不動の骸骨(第1話「黒髪」)、ゆきおんな(第2話「雪女」)、平家の武者幽霊と鬼火(第3話「耳無し芳一の話」)、杯の中と瓶の中の人間(第4話「茶碗の中」)とみてくると、モンスターと言い切れる決定打は不在でした。しかし雪女は流れがわかっていてもやっぱハラハラするし、耳無し芳一は色彩と細部が凝りに凝ってる(平家の亡霊たちは絶対まばたきしないもんね)。般若心経を全身に書いてくシーンなんかほとんど笑えますね。4話とも、照明の当てかたとか人工的な遠景とか舞台芸術のノリで通したところが成功の源かな。
 ■フロム・ザ・ダークサイド■ ミイラの第1話と黒ネコの第2話はど~でもいいとして、問題は第3話ですよ。わかりました「ゆきおんな」でしょ、と始めから見え透きすぎた展開。で案の定そのとおりになるのだが、雪女とは違って旦那を喰い殺しちゃうところが「え?」と不意をつかれたっけ。最後に魔物の浮彫に子どもが2人増えているところもうまいオチでしたね。というわけで土壇場でかろうじて駄作を逃れおおせました。