■アウトランダー■ えっ? 主人公のあいつって、エイリアンなの? てっきり宇宙植民した地球人がタイムスリップしてバイキングと交流してんのかと思ってたけど。ウェブでレビュー調べるとどうやら異星人ってことのようだな。やっぱ字幕出して観ないとダメだな。どうりで最初にハイテク装置で眼球越しに言語やらなんやら情報インプットしてたわけだわ……って単に異国に飛んでもあれくらい必要かもしんないし。そもそも変身した形跡ないのにあんな地球人そっくりで(故郷に残した妻子も人間クリソツだったよなあ)地球の大気に適応しまくってて、進化的に地球人と別系統ってのは無理ありすぎでしょ。やっぱタイムスリップものでいいんじゃないの? そのことはともかく、よかったですわ、これ。モンスター映画目当てで見てるぶんには私ゃ満点近くつけますね。モンスター怖いし。発光するし。だから意外と平凡なトカゲ形でありながら微妙に不定型な恐怖感あったし。尻尾が鞭で鋭いし。モンスターの牙ズラリに劣らずヒロインの大口の中も拝めるし(残念ながら銀歯は見れなかったですけどね)。しかしな~んか飛躍が感じられてねぇ。あの女、いつのまに地下の巣窟に囚われに? 俺が何か見逃してたかな? シーンが思いっきり端折られてたような。そのへんが残念だったな。あとラストのぶら下がりシーン、あんなでかいモンスターに腕掴まれて支えらんないでしょういくらなんでも。あ、エイリアンだから平気なのか。ってあくまで異星人設定ならもうちょい違う体形にしといてほしかったってんだよなァつくづく。あそうだ、もひとつ文句言っとかなきゃな。音楽ウザイってばよ。全編ドラマチックなBGM流しッ放しってどーゆーつもりよ。頭くるね。せっかく設定もCGもモンスターも良質なんだから、俗っぽく迎合しなくて大丈夫だから。BGM全部消してタイムスリップ設定に徹してたらトップクラスに入ったよなぁこれ。
■プレデターズ■ えーと、終わり近くでメスだか注射だか取り出してドクターがほら、自分を助けてくれた女にブチってやったのはなんでかな? ただそうゆうサイコパスだって設定? 集められたのは傭兵とかヤクザとか人間版プレデターばっかだってのはわかるけど、協力者が一人でも必要なあの場であれはないでしょうに。わっかんねーな。字幕出して観りゃよかったな。まあとにかく、人間版プレデターどものやりとりというか対立というか、そっちも面白かったらしいんで、字幕出して観りゃよかったな。あとプレデターの種間抗争みたいな設定らしいけど、見かけをもっと違えてくれないとな。いっしょに戦ってくれるのが一体だけってのもちょっと寂しい。あと、これどっかで誰かが言ってたの偶然見たけど、俺もおんなじ感想だなってのは、ヤクザとプレデターの一騎討ちんとこね。プレデターがドサッと倒れて、そのあとアップで映るヤクザがくずおれるンだけど、あそこはアッサリしすぎでしょう。顔アップだからてっきり顔上半分が斜めにスーッと滑り落ちる、くらいのことやってくれんのかと思った。だってプレデターの倒れ方も地味すぎたんだもん、あそこで何か特殊効果見せてくれないと。それとも、一人とどまって犠牲になるってカッコ良さだけで十分だと思ったのかな? いやいや……。
■ミッドナイト・ミート・トレイン■ びっくらこいたなあ。サイコパス系もしくはレザーフェイス系って前提で観てたんだけど、コンタクト系にひっくり返るとはなぁ。異形の者どもがワラワラ現われてガツガツ食いつきはじめたのにゃ仰天でしたよ。なんか得した感じ。紛れもないモンスター映画に滑り込んでくれたもんな。正直言うと、主人公が殺されずに釈放されたところで「ああ、またこの御都合展開かよ……」って、観賞放棄しようかとすら思ったのよ。でもまあ、御指名だったわけね。なるほど筋が通ってる。ヨカッタヨカッタ、御都合主義的駄作じゃなくて。そこまでの展開で、目ん玉スポーンとか鉤で突き上げて天井にドッカーンとか、漫画的なスプラッターがまことに気に入ってて「この映画好き」モードに固執しかけてたんで、主人公釈放のところじゃほんと泣きたくなったんでしたよ、ヨカッタヨカッタ。途中のそんな勘違いもあったとはいえ終わってみるとほとんど突っ込みどころのない完成度でした。ただほれ、主人公に助けてもらったモデルさん、いくら感謝してるったってディープ気味のキスを口にするなよ、見ず知らずの男に。あと、ラストで心臓取り出される女がその前にグロッキーになる経緯がちょっと観ててわかんなかったな。暗かったし。ま、あのへんはバタバタバタッとわかりにくく進んで正解ってことで。ところで、先代が洗面台で一生懸命切り取ってたイボは何だったのかな?
■第9地区■ あれっ。普通だなあ。普通すぎるよ。健全すぎるっつうか。期待してたのに。ピーター・ジャクソンだからってそりゃ飛んでもない期待しちゃ悪かったか。しかしなぁ。もうちょっとぶっ飛んだ映画かと思ってたんだよ。エイリアンの造形・動きはよかったし、アレはエイリアンの赤ん坊ですか、サソリみたいなのの闘鶏なんかじっくり見てみたい凝り方だったし、しかし何でああも真っ当すぎるコンタクト人情ものにしちゃうわけよ。ロボットの暴れっぷりは満足レベルだったけど、意外性なく平凡。うーん……、『ラブリーボーン』でピーター・ジャクソンには肩すかし喰らわされたばかりだったけど、まっ、あの監督もすっかり健全大衆路線に同化しちゃったってことですかね。残念だなあ。
■ブレインダメージ■ セサミストリートをグロ化したようなお茶目なモンスターが気に入りました。あんな麻薬生物に寄生されたいって心から願う鬱病患者も多いのではないでしょうか。いちいちストローでチューチュー吸ってるようなコンタクトぶりがサイケデリック感と対照的なオトボケ味で、モンスターの言うなりに人を襲い続ける主人公の異様なほどの悲哀ったら。こういう稀少種のモンスター、もっと観たいよ。
■エイリアン・エクスペリメント■ 俺これ、スッゴク面白かったんですけど。ダメですかねェ? いや、いいと思うよこれ。『コヤニスカッツィ』っぽいやや長すぎる環境映像から始まって、結局全編、クライマックスもなく瞑想系ソフトノイズ音楽が響き続けてるとこだけで二重丸だけど、映像処理、アングルの不意の切り替わり、早回し、個々の処理はありきたりなんだけど、あんだけしつこく「エイリアンの視点です」って畳み掛けられると、笑うッきゃないじゃないですか。にーちゃんねーちゃんらが脈絡なく囚われては追い回され四肢切断されたりする理不尽さは、ストーリーなんぞ追ってかなくていい爽快感に満ちている。展開がないっちゃないんだけど、うん、アートですよアート。ありですよ、こういうの。俺、全面支持。
■アバター■ ほんとつまんなかったです。ろくでもないハリウッド大作の見本ですね。いや、ビジュアルは良かったですよ。空飛ぶとことか。3Dで観たらさぞかしだったろうなあと。でもああいう良さはハリウッド大作である以上当たり前だし。当たり前すぎて意外感全くないし。ああいう職人芸だけじゃなくて、変わったことをしてほしいわけよ。それがこの映画には無い。ほんとつまんなかった。クリーチャーが何種類も登場したんでその点は文句ないんだが、ごく平凡なファンタジー×アドベンチャーって感じで、ただ心地よ~く見続けられて「はい、ありがと」ってもん。いや、貶しちゃってるけど観てる最中はぐーっと引き込まれてたのよ。クリーチャーだけじゃなくて森が炎の海と化すシーンなんかも素晴らしかった。ことごとく素晴らしすぎる。だもんでなあんにも残らない。意外な要素一つもなかったのがマイナス要因よ。クリーチャーに戻ると哺乳類系・鳥系に偏ってたのも不満要因かな。異形をくれ異形を。
■ノウイング■ またかよ、このハリウッド家族愛パターン。オヤジがウザすぎるよ。ハッスルしすぎ。まあビジュアルは不満なし。とくに至近距離での飛行機墜落シーンは迫力あった記憶が。
■ステルス■ おいおいおいおい、とツッコミを入れようとして入れる暇がないままぐんぐん引きずられていっちゃった。そんな後味ですな。って実はだいぶ前に観たからよく覚えてないんだけど、なんか北朝鮮の部隊長っぽいのが一人頑張ってたよなあってのと、ラストでステルスが豹変してヘリに体当たり!ってのがえーっヘリ一台と差し違えるなよ~ってもったいない気分だったのが記憶に残ってますわ。
■ソサエティー■ 噂の人体裏返しシーンはさすがにオモグロかったけど、あれがいずれ出てくるんじゃないかって伏線的な「顔内側からわしづかみシーン」が演じられてたよね。ラストのフルバージョンまであんま小出しにしないほうがよかったのではと。本番の完全裏返しシーン、控えめだったけどもっとぷつぷつと泡立っているような体温感じさせるビジュアルがほしかったなあ。
■ゼイリブ■ あのエイリアン、案外無害なんじゃないか? 知らぬが仏で。黒人のダチと長々と喧嘩するシーン、いい加減にしろよと思ってたら巷によく知られた顰蹙シーンのようですな。何か確信犯的狙いがあったのだろうか? つか主演がどうやらプロレスラーってことで、デモンストレーションってとこかな。ほんとにバシバシぶっ倒れてるしな、痛そう。たしかに体張ってるよ。しかし喧嘩のモトが「メガネかけろ、やだ、かけろ」じゃなあ……お笑いネタにしてもちょっと……。もうちょい説得的な原因考えてくださいよ。
■プラネット・オブ・エイリアン■ チャチきわまりない広場のケンカ的スケールで「地球を救う」って言われてもなあ。だけどいいんです、面白かったから。
■CE4 エイリアン・アブダクション■ 最後のネバネバピロピロんとこだけよかった。極彩原色のあのセットはなかなかのものでしたよ。そういえば女の子あと二人、殺されずにさらわれたっぽいんで、全員の植えつけ場面見せてくれたらよかったのに。一応一瞬ですが奥歯フェチを喜ばせる絶叫シーンあります。ただし男の部は飛ばして見ましょう。
■DEATH NOTE■ ゴチャゴチャ規則が複雑で入り込めねーナー、ゲーム的に効率よくシンプルにしようョと原作読んだとき思ったけど、映画でも同じですね。あと世界規模の大量殺人事件なんだから、関係者がみんな日本の狭い地域に集中してるんでなくてもっと国際性持たせなよ、と原作読んだとき感じたけど、映画でも同じですね。あと原作より性急なテンポというか、ろくな試行期間なしで罪のない人々をむやみに殺し始めるのはどうなのかね。捜査本部に入りたいがためにガールフレンドを殺すっての? 軽すぎますって。キラが「幼稚」って形容が前半出てきたけど、あれじゃあ映画全体が幼稚になっちゃうんで。「先に書いたほうが勝ち」的ルールを利用した解決法はナルホドだけど、どうもカタルシスに欠けるね。ま、かなりつまんねー部類の映画でした。
■ウィッシュマスター リダックス■ 三つ目の願いをどう按配してジンを撃退するのかと思いきや、あららら……、単に天使の剣で刺して退治かよ。なんてつまらない。第一作が結構面白かったもんだからただひたすら最後の願いを楽しみに観てたのにい。
■ロスト・ヴォイジャー■ しょっぱなの宇宙船の事故シーンのCGで「うわあ、ダミだこりゃ」。あのアンテナの折れ方はないでしょう。
■下町エイリアン パピピピプピ■ 何だよ、もっとラディカルなナンセンス系なのかと思ったよ。期待させやがって。ただの類型的な人情&熱血パロディか。面白くねえよう。あんまギャグもないし。下町だけ宇宙に飛ばしてどーすんのって、いやそれだけじゃナンセンス系は気取れないよ。子ども向けって感じのCGでもなかったしなぁ。なんだったのこれ。