パソコン上達日記2

日々の雑感を戯れに綴ります

普通に暮らす人達への愛情「松本清張」

2016-02-21 10:53:19 | 読書感想

現在のストーリーテラー、作家の宮部みゆき氏も、清張ファンで、よく作品について解説されている。

松本清張の短編小説の中から、その宮部氏がセレクトしたものだから、読まなくても面白いに決まっているね。

私はお気に入りの作家のお気に入りの作品を、何度も読み直すことが好きなので、短編集にある作品郡もほぼ知っていたけれど、宮部氏の解説が読めるので一連のシリーズは、とても気に入っている。

構成の上手さや、ミステリ度からいうと「書道教授」はやはり外せないなぁとか、その作家の好みが分かって、読む楽しみが増える。

その中でも、「式場の微笑み」。

この小説をとりあげた宮部さんのお人柄というのかな・・・優しさが感じられる。内容はとても地味な短編もので、事件もないし、派手は構成もない。でも私もとても好き、・・・しみじみする。杉子というヒロインの不器用な潔癖さと、生き方へのプライドを感じる作品だなと思っていた。

宮部さんの解説は、もっと深く優しく丁寧で、読んだ時 紹介文も素晴らしいなと思った。

嫁き遅れ(いきおくれ)のOL女性、杉子がヒロイン。彼女は・・・小説をよく読むとわかるのだけれど、とても向上心のある女性、平成の今ならシングルライフを充実させてるというようなタイプの人。解説によると昭和50年代の頃なら、こういう女性は「ずっとずっと淋しく居場所がない存在」だった、書かれてある。作品の書かれた時代背景が分かると、内容もより深く理解できるなぁと思った。

ヒロインは地味で真面目で、向上心がある。最後まで読むと、何が面白いのか分からない人もいるかも(笑)

私はなんとなく身に染みたので(笑)、印象に残っていたけれど、宮部さんがその何故印象に残ったのか、地味なと思われがちな内容のどこに清張作品の魅力があるのか、謎解きのように語られている。


そういえば、少し前にBSで「Jミステリの謎を解け。」という番組を放送していた。1回目「松本清張」(ゼロの焦点)2回目「横溝正史」(八墓村)をとりあげ、

各方面のスペシャリストが作品と作家に語りあう内容でとっても面白かった。もっとやってほしかったけど、終わったのか3回目がない(笑)

九州に行って、清張記念館に行きたいなぁ・・・いつも思う。九州は遠いので、なかなかそれだけのために行けないなぁ。

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