国内女子ツアー第6戦「スタジオアリス女子オープン」は鈴木愛の完全優勝で幕を閉じた。荒天でサスペンデッドになる変則日程。かつ海外メジャー帰りで疲労も残るなか、賞金女王はなぜ、圧勝劇を演じることができたのか。上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が掘り下げる。
【連続写真】2018年はショットでも魅せる!女王・鈴木愛の最新スイング
■ついにショットのスタッツまで1位に、鈴木愛が追求するダウンスイング
今大会でただ一人2桁アンダーに乗せた鈴木。チャンスをことごとく沈めたパッティングの上手さは言わずもがなだが、今大会で辻村氏が感じたのはショットの精度の高さ。砲台グリーンの多い花屋敷ゴルフ倶楽部で、高いパーオン率を誇った。2016年はパーオン率29位だったが、2017年は11位と向上。さらに2018年は6試合しか終えていないとはいえ、ついに1位に。成長が早くも数字に反映されている。
「鈴木さんのスイングで大きく改善されたのが、ダウンスイングで"クラブが寝てしまう"クセがなくなったこと。ショットが安定し、パーオン率が増しました」
その改善につながった練習が、昨年から取り入れている、右手と左手のグリップの間隔をこぶし1つ分程度離して打つ練習だ。
「アマチュアの方でも、やってみてもらえればわかりますが、右手と左手を離して握るグリップ(スプリットハンド)では、ダウンスイングでクラブが縦に下りてくるイメージを作りやすく、またフォローサイドでも左ワキが自然に締まります。ダウンスイングで"クラブが寝る"ことで起こる"振り遅れ"の矯正にもなりますし、"手元がつねに体の正面にある"イメージを持つことにも効果的です。インパクト後も左腕が左へ流れずに左ヒジが絞れた状態でヘッドが立って抜けてくる。
ダウンスイングでクラブが立って懐に入ってきて またフォローサイドで立って出ていく…まさに理想的な動きです。鈴木さんは、この練習でスイング軌道が安定し、タイミングがずれてもブレの少ない真っすぐの球を打つ精度が上がりました」
ショット力向上で得た自信は攻め方にも現れる。今大会で最高難易度を誇る1番。ティショットは右が池、左が土手となっており、多くの選手は池を嫌がり、左を狙うホール。3打差をつけて首位で迎えた鈴木は最終日に、2打目以降の攻めやすさも考えて果敢に右サイドを狙い、池のふち15ヤードに置いた。「“難しいホールだし、差があるからボギーでいい”なんてさらさら思っていませんよね。もちろん、2位とのストローク差を計算したほうがいい選手もいますが、鈴木さんはそのタイプではないことを自覚している。気持ちの強さは、若い選手にも見習って欲しい」
■飛ばし屋・葭葉ルミ 今季好調の理由はパッティングにアリ
一方、2位に入ったのはツアー屈指の飛ばし屋である葭葉ルミ。昨年38試合で4回しかなかったトップ10が、今季は6試合で早くも2度目。飛距離ばかりが注目される葭葉だが、好成績は別のところに要因があるという。
アメリカの有名なコーチであるデーブ・ペルツが発案した「パッティングチューター」という練習器具が、葭葉のパッティングを大きく向上させたと辻村氏。先が細くなる台形をしたこの器具は、細くなった頂点の二箇所にパチンコ球のようなものを置き、その二つの球の間を通すようにパッティングをするもの。打ち出しを安定させるのが狙いの器具で、松山英樹や岩田寛ら多くの選手が活用している。この器具を使用したことで、葭葉のパッティングが変わった。
「フォローで、パターヘッドがスクエアの状態でピタッと止まるようになりました。これは、スクエアに構えてスクエアに出せていて、打ち出しが安定している証拠です。その動きを見るだけで入りそうに見えます。最終日のフェアウェイキープが14回中3回というなかでの2位フィニッシュは、26回というパッティングが助けたからにほかなりません。昨年1位のドライビングディスタンスに、現在平均パット数10位のパッティングが加われば、2016年以来のツアー通算2勝目はそう遠くないでしょう」。
以上、アルバニュース
鈴木愛は、パーオン率が1位になったんですね。それじゃ強いわけだ。
飛ばし屋葭葉ルミが小技が得意になると上位にくることでしょう。
また、葭葉ルミは体重移動打法、右、左、右、左という体重移動するため精度の誤差が発生しやすいため、100Y前後のウェッジショットがイマイチとみています。ショートアイアンは体重移動させない工夫が必要と私は思っています。
どちらにしても韓国選手に負けないでほしい。