米韓軍事同盟の要だった3大合同軍事演習が中止となり、北東アジアの対北朝鮮抑止力は激減したのに、米国からは演習中止そのものの是非論は全く聞かれない。むしろ、韓国の文在寅政権が対北制裁緩和を主張していることへの批判が相次いで、米韓同盟の危うさが公然と語られるようになった。今後、在韓米軍縮小をめぐる議論が高まるのは避けられないが、この地域の安全保障環境の変化のツケはいずれ、日本に回ってくることになる。
■米韓関係のお粗末な実情
日本の防衛関係者は「在韓米軍兵士は1~2年のサイクルで交代する。米韓合同演習はすでに1年間中断しており、今春の演習終了決定でさらに訓練の空白が長引くと、確実に練度は落ちる。『演習しない軍隊を駐留させておくのか』という撤退論が起きてもおかしくない」と述べた。
また、日本の安全保障への影響について、「防衛当局は沈黙しているが深刻だ。縮小や撤退がすぐに始まるわけではないが、日韓関係が最悪な中で、日米韓の訓練も全く考えられない。そのうえ米韓同盟が揺らげば、環境は一段と厳しくなる」とみる。
米韓政府が終了するのは最大規模の野外機動訓練「フォールイーグル」と指揮所演習「キー・リゾルブ」で、規模を縮小した代替演習を行うとしているが、大隊以上の演習は米韓が別々に行う。この2つに加え、夏の指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」も終了する方針で、朝鮮半島の米韓3大軍事演習が全てなくなることになる。
1978年にできた米韓合同司令部が担ってきた合同防衛態勢は、軍事演習をやめてしまうことで形骸化する。
米国が米韓演習の終了を決めた背景には、金正恩体制を非核化に誘導するための環境整備という意図のほか、トランプ大統領の文在寅(ムン・ジェイン)政権への不信と不満が強く反映している。
ハノイ会談から5日後、韓国国会で康京和(カン・ギョンファ)外相は、米国が北朝鮮に何を要求したかを「把握できていない」と答弁し、韓国世論を驚かせた。韓国政府は、首脳会談から数日が経っても米政府から会談の詳細を伝えられていなかった。米国は韓国と情報を共有しようとしておらず、同盟関係は政治的にも軍事的にも、ひどくお粗末な状態なのである。
■それでも米国に「制裁解除を要請する」
文大統領は米朝会談を受け、今月4日に開いた国家安全保障会議(NSC)で、関係部局に「南北協力事業を速やかに準備してほしい」と指令した。協力事業とは金剛山観光や開城工業団地のことだ。事業が再開されれば現金が北朝鮮に流入する。国連制裁違反であることは明らかだ。しかし、文氏は、1日に行った「三・一演説」でも「金剛山観光と開城工業団地の再開案を米国と協議する」と述べていた。
文氏は、ハノイでトランプ氏が「制裁解除は行わない」として交渉の席から立った結果を、まるで無視しているのだ。さらに文氏はNSCで、金正恩氏が主張したとする「部分的な制裁解除」を擁護し、「部分的な経済制裁解除が話し合われた」「寧辺(ニョンビョン)の核施設が米国の査察・検証下で永久に廃棄されることが視野に入ってきた」などと述べて、米国をあきれさせている。
ハノイ会談の直前にはボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が韓国訪問を中止しているが、これは米国側が韓国からの情報漏洩を懸念したためといわれる。米国の専門家の多くが「米国はもはや韓国政府を全く信用しない」と指摘している。
米韓同盟の弛緩(しかん)は、対北政策などでの対立だけでなく、在韓米軍駐留費の分担金交渉でもあらわになっていた。
同交渉は昨年来、紛糾してきた。昨年の韓国側の分担金は9602億ウォン(約936億円)で米国は50%増を要求。トランプ政権は、同盟国による「安保タダ乗り」を批判してきた。
これに対し文政権は、10回に及ぶ交渉で米国からの要請を拒否して、トランプ大統領を激怒させたといわれている。最終的には今年2月初旬、韓国側が譲歩し、8%増の1兆389億ウォン(約1018億円)とすることで妥結したが、米国は分担金問題を重視し、これまでの5年更新から毎年更新に切り替えた。韓国は今後、毎年、米国からの要求を突きつけられることになった。
実は、一連の交渉をめぐっては、こんな風評が立った。「文政権が分担金値上げを拒絶するのは、米国を怒らせたいからではないか。文政権は在韓米軍撤退を望むが、自国からは言いたくないのだろう。米国から同盟を破棄させたいのではないか」
以上、産経新聞
今の現状は、米国も韓国不審であり、米軍が引き揚げることが近づいています。
韓国軍の肩代わりは、日本になりそうです。
さらに米軍経費の引き上げもトランプが言っています。
日本は周辺国からたかられる状況です。
やはり、真の独立をする必要があります。
今の日本人には期待できません。
子供たちの教育を変えて、愛国心を高めることをやり、10年後以降に期待する形に持って行きたいのですが、・・・