「立ち木染め」ってご存知ですか?
初めてお聴きにある方が多いかと思います。当店ショップサイトでもきちんとご説明していなかったので、こちらでご説明させて
頂きます。
ご購入のためすでに販売を終了した商品ですが、こちらの商品にその技が使われています。
この時計のちょうど真ん中。秒針の部分が三角にカットされて赤く染められていますよね。これが立ち木染めです。
「上から色を塗ったんじゃないか。」そうおっしゃる方もおられますが、そうではなく木そのものが染まっています。
ではどうやって染めるのか、それは、すでにその木が伐採される前からすでに加工は始まります。
立ち木、つまり自然に木が立っている状態の時に、木の周りの土壌に管を突き刺します。そしてその管はチューブに繋がっていて、
ペットボトルの口の部分に繋がっています。そのペットボトルにインクを入れておけば、木の蒸散作用で、土中からインクの混ざった
水分が吸い上げられ、自然とインクの色に木が染まっていくという訳です。
ちょうど点滴のような仕組みを想像していただければ、お分かりになりやすいと思います。
木の材質によって、ゼブラ模様や、グラデーションなど、多彩な色に染めていく事が可能です。
しかし、木の蒸散作用に依存するため、どのように染め上がるかは、伐採してみないと結果は分からないようです。
この立ち木染めの技法は、銘木業界や工芸の世界では、賛否両論があり、意見が分かれます。
人工的な技法を用いるため、邪道だという見解もあれば、斬新でデザイン性に富むという見解もあります。
しかし、いずれにせよ、簡単ですぐに出来るという技法ではなく、1本の木を何年も育てながら、少しずつインクを吸わせていき、
デザインも自然の力に依存するので、非常に手間がかかる根気の要る技法です。
当店では、立ち木染めの技法を用いた商品が、お蔭様で、ご購入による販売終了となっておりますので、新たな商品を仕入れることが
出来ないかと現在検討および模索中です。リサーチには、もうしばらく時間がかかるかと思います。
運良く仕入れることが出来ましたら、こちらでもご紹介させて頂こうと思います。確約は出来ませんが、楽しみにお待ち頂ければと
思います。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
http://www.izukame.com