はさみの世界・出張版

三国志(蜀漢中心)の創作小説のブログです。
牧知花&はさみのなかま名義の作品、たっぷりあります(^^♪

「赤壁に龍は踊る」、全面書き直しのため下げましたー。

2024年12月01日 20時13分51秒 | Weblog
あらためてですが、タイトルどおりでございます。

で、重要なことを書いておくのを忘れました;
当ブログに通ってくださっていた方の中で、「赤壁に龍は踊る」の記事でブックマークされていた方、いらっしゃったかしらん。
お手数ですが、「はさみの世界・出張版」のトップページにブックマーク変更お願いいたしますー。

そして!
「なろう」での掲載順が変わってしまいまして……
(最終掲載日時が作品を削除したことで、6月から2月に逆戻りしてしまったため→「なろう」は、掲載順が最終日時で決まるのです)
だいたいこのあたりだろうと探して読んでくださっていた方、これまたお手数ですが、「牧知花」か「奇想三国志」で検索してみてくださいね。

でもって、このブログやなろうの作品を全面削除と勘違いされていた方、いらっしゃいます……?
大丈夫だと思うのですが、念のため。
「赤壁に龍は踊る」のみを下げました。
ほかはいまのところ下げる予定はありませんので、ご安心くださいまし(*^▽^*)
(番外編の「甘寧編」は怪しいが)

というわけで、お知らせでございました。

げんざい、鋭意「赤壁に龍は踊る・改」を制作中でございます。
どこか既視感のあった、削除済みバージョンと違う流れの話となる予定。
「黒鴉の爪痕」連載後、つづけて連載できるよう、頑張っています。
というか、これ以上、掲載順が下がると、もう新規のお客さんに見てもらえなくなりそう……!
さすがに、せっかく活動しているのに、それは悲しいので、早いところ、赤壁編を掲載したいです。
ちなみに、「黒鴉の爪痕」は、今日の掲載分で、ようやく半分まで来ました。
残りの半分も、だいたい10日から15日のあいだで連載することになります。
赤壁編は、なるべく間を置かずに掲載開始したいです。
年内、いけるかな?
がんばります!

というわけで、お知らせでございました。
ではでは、またお会いしましょう('ω')ノ

牧知花

黒鴉の爪痕 その12 二次会はじまる

2024年12月01日 10時07分19秒 | 英華伝 序章 黒鴉の爪痕
「子龍どのにも、今宵の宴に参加しないかと声をかけたのですが、断られてしまいました。
そう言う理由だったのですか」
「いや、単に行神亭《こうじんてい》の料理が、特別にうまいというだけだろうよ。
子龍は独り身だから、にぎやかな酒家でのんびり食事をとるのが楽しいのかもしれぬ」
と、これは劉備が添えた。
「聞きそびれておりましたが、子龍どのは、どこに寝泊まりされているのですか」
「ああ、言っていなかったかな。
子龍は城内の兵舎のそばの小部屋を自分の部屋にして、そこで寝泊まりしているよ」
「ひとりで」
「もちろん」
劉備がうなずくと、張飛が唸った。
「もちろん、なんて言っていないで、兄者が蘇果《そか》と子龍を取り持ってやればいいじゃないか。
あいつの目当ては、まちがいなく蘇果だって」
「本人が一言もそうだと言っていないのに、軽率に決めつけてはならぬ。第一、蘇果にはすでにいい人がいるだろう」
「孫直《そんちょく》だろ? あいつ、男のくせに厨房に出入りしちゃあ、蘇果にちょっかいを出しているそうじゃないか。
あの優男より、子龍のほうが男ぶりがいいのになあ」
張飛はそう言って、芝居がかった仕草で首を横に振る。


孫直とは、たしか孫乾《そんけん》の年の離れた弟、あのへらへらした感じの青年だったな、と孔明は思い出していた。
孫直も、兄に遠慮してか、欠席をつづけていて、孔明のところに顔を見せないひとりである。


「孫直は、確かにつかみどころのないやつだが、根は真面目だぞ」
劉備が添えると、張飛はふくれっ面をみせる。
「そうだろうかねえ、おれはああいうやつは、どうも好きになれん。
商(殷《いん》)の大宰相だったっていう伊尹《いいん》がもともと料理人だったっていうのは知っているが、それとは孫直はちがう。
あいつは、料理人でもなけりゃ、厨房を手伝うでもなし、女を追っかけまわして、つまみ食いをしているだけだからな」
一同はおどろいた。
孫直が厨房に出入りしているということにではなく、張飛が、かの伊尹が料理人だったという事実を知っていたことに。
孔明もまた目をまん丸にしていると、張飛が気づいて吼えた。
「なんだよ、おれが伊尹のことを知っているのがおかしいのかっ。
おれだってそっちの水……」
水野郎、と言いかけたらしい。
「……臥龍先生のように、暇をみつけて勉強をしているのだぜ」
「あー、はいはい、おまえはえらい、えらい」
「兄者! 心がこもってねえ!」
泣き出す張飛をなだめる劉備と関羽。
その三人に、どう割り込むべきか悩む孔明。
そうしているうち、四者ともに酒が進み、まず関羽がうつらうつらとし始め、つづいて張飛が寝込み、さらには劉備が酒瓶を抱いたまま、むにゃむにゃと夢の中に入っていった。
うわばみの孔明だけが、その場に残された。


外に、三兄弟の世話をすべく侍女たちが残っているようだったので、彼女らに世話を任せ、つづいて、警護をしていた者のひとりを呼び止め、趙雲が城に帰っているかたずねた。
「子龍さまでしたら、毎日かならず、閉門の前に戻られているようですが」
「左様か、ならば、子龍の寝泊まりしている部屋に案内してくれぬか」
案内してもらう前に、孔明は酒瓶をひとつ拝借するのを忘れない。


すでに寝入っている者も多い城内は静まり返っていて、案内をしてくれる者と、孔明の衣擦れの音だけがひびく。
たどり着いたのは、たしかに劉備の言うとおり、『兵舎のすぐそば』の、小部屋だった。
小部屋の両どなりは倉庫であるらしく、人の気配はない。
ずいぶん寂しい……いや、静かなところに住んでいるなと孔明はおどろきつつ、趙雲の小部屋の入口に立つ。
案内してくれた者を返し、入口の扉を叩いた。


「子龍どの、すこしお話しませぬか」
声をかけると、すぐに趙雲が顔を出した。
酒をあまり飲んできていないようで、顔はさほど赤くない。
驚いた顔をしているかれに、孔明は満面の笑みを浮かべ、片手に持った酒瓶を掲げて見せた。
「どうです、一杯やりませぬか」
「悪くないが……わが君と、雲長どのと益徳はどうした」
「酔いつぶれて眠っておいでです」
「軍師は酒に強いようだな」
「そのとおり。中に入っても?」
返事の代わりに、趙雲は扉をひらき、手で中に入るように示してきた。


つづく

※ たのしい(?)二次会がはじまるようです。
さて、本日はお約束どおり、「赤壁に龍は踊る」をいったん下げます。
「なろう」から下げていきますので、どうぞご了承くださいまし。

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