はさみの世界・出張版

三国志(蜀漢中心)の創作小説のブログです。
牧知花&はさみのなかま名義の作品、たっぷりあります(^^♪

近況報告2024 12月 その1

2024年12月07日 20時57分22秒 | Weblog
仙台も今朝は雪が舞いました。
積もるほどではないのですが、いやはや、寒いです。
みなさまの街では雪の気配はありますか?

さて、では近況報告でございます。
げんざい、ご存じの通り、「奇想三国志 英華伝」の「序章 黒鴉の爪痕」を毎日連載しております。
これが序章にあるまじき長さでして、13日か14日にいったん連載終了となる予定です。
で、その翌日からどうするか、なのですが……
たいへんお待たせしました、「赤壁に龍は踊る・改」を連載する予定です!

削除した「赤壁に龍は踊る」は、徐庶が助かって以降の原稿も、だいぶ作ってありましたが、ぜんぶボツ!
理由は、前の近況報告のくりかえしになりますが、話のテーマをまるっと変えたためです。
「曹操軍を撃退する」のが孔明の目的ではなく、「いかに荊州の実効支配を強め、劉備の地盤を築くか」というところが目的なのです。
そこを重点に置いてぜーんぶ最初から書き直したところ、いままで
「なんか引っかかる」
と思っていた違和感がなくなり、スイスイと執筆作業が進むように!
孔明目線でのストーリーに組み替えたことで、話の展開がスピーディーにもなりました。
最初から、これが出来ていれば……うう。

一度、失敗してみないとわからないのが、わたしという人間。
削除した「赤壁~」を楽しみにしてくださっていたみなさま、本当に申し訳ありません!
あのまま書き継ぐことも可能だったとは思うのですが、そうなると、だいぶ先の展開が苦しくなっていたことでしょう。
どうして苦しくなるかというと、やはり人物設定に無理があった。
それに、オリジナル要素があるようで、そうでもなかった。
孔明の出てくるエピソードに関しては、既視感のあるエピソードになってしまっていたように思います。
吉川版三国志に影響をされすぎたなあ、と大いに反省しております;
やはり、自分の発想で書く覚悟を持ってやらないと、小説は書くのが苦しくなりますね……
いや、小説に限らず、書くことはすべて、そういったものかもしれません。

で、あたらしい「赤壁に龍は踊る・改」は、前回書いた通り、いろいろ変更があります(これまた、あらためて)。
◎ 話のスタートが、いきなり、論戦の直前→回想シーン→論戦、という構成となります。
◎ 魯粛がなかなか黒いです(史実に近い)。
◎ 胡済(偉度)が同行しませぬ(登場はする)。
◎ 周瑜は、ありとあらゆる美質に恵まれた人物として描かれます。
◎ ただし、周瑜と孔明は、対立関係となります。
◎ 龐統の人物設定が史実に近くなります。
◎ 徐庶は名のみの登場か、あるいは後ろのほうで、チラッと出てくる程度……

他にもこまごまと違いますが、大まかなところでは、以上です。

周瑜と龐統の人物設定は、だいぶ見直しました。
とくに龐統は、「飛鏡、天に輝く」とも違う設定です。
いままで書いたなかで、いちばん史実に近い龐統だなと、自分で思っています。
どういうふうになるか、おたのしみに♪

それと、徐庶ファンと周瑜ファンには申し訳ないです。
徐庶はリストラ状態(話の展開が孔明中心になるため)、周瑜は基本戦略の違いから、どうしても対立関係となります。
史実を見ると、周瑜は孔明をほとんど意識していなかったっぽいんですが、そうなると話にもならないので、そこは演義のほうを参考としつつ、オリジナル要素も入れます。

あ、趙雲はしっかり孔明に同行しますよー。
そこは変わりませんので、ご安心ください。
オリジナルキャラクターも、邪魔にならない程度に出てきます。

気になる(?)進捗状況ですが、まだ書きかけです!
(威張れた話じゃないですが)
ですが、進捗状況は、工程予定表をはるかに上回るハイペース。
現時点で、4万文字弱は書けています。
このペースを守れるなら、毎日連載もできるはず。
休みを入れたり、スコッパーになったり、うさルートの設定を作ったりしつつのハイペースなので、かなり余裕があります。
以前とは一味ちがいますよー、ご安心くださいませ。
というか、ほんとうに、作品を出したり引っ込めたりして、すみません……
今度は大丈夫そうです。
仮に、ペースが守れなくなったら、毎日を隔日に改めるとか、いろいろ工夫しつつ、更新が途切れないように気をつけます。
本当に繰り返しになりますが、14日か15日に、リスタート!
どうぞお待ちくださいませ!

で、ここから、わたくしのお話。

以前に「早朝の4時半に起きて創作をやっている」と言いました。
半月近くつづけました。
たしかに創作はうまくいきました。
が、しかし!
自分はかなりの夜型人間だったらしく、超早朝生活は無理だった……!
というのも、頭痛がひどくなりまして、しかもホルモンバランスが崩れたらしく、ひどい肌荒れになってしまったのです!
がーん、でした……
「うまくいっています(ドヤァ)」とみなさんに報告していたのに、けっきょく、体調不良が原因で、夜型に逆戻り、ですもの……
肌荒れは皮膚科に行くレベルのひどさです。
このあいだ、ステロイド入りの強めの塗薬をもらいまして、それをぬっていたら、だんだん治って来た次第。

早起き、合う人は合うんでしょうが、だめな人は、ほんとうにダメみたいです。
仕方がないので、創作は、けっきょく夜にやっています。
朝と日中は、どうしても邪魔が入りがちですが、そこはなるべく「邪魔されても出来る作業」をするようにしました。

時間の使い方ってむずかしいですね。
ポモドーロテクニックを活用しているので、いろんな作業をこなせてはいるのですが、完全な余暇が入り込む隙間がなくなりました;
完全な余暇とは、動画見たり、ゲームしたりする時間です。
読書量も、「赤壁編」を書く時間が長いため、いつもより減っていて、何事もまんべんなくすることは、なかなかできないもんだなあと実感しています。

「ロングゲーム」(ドリー・クラーク著)という本を読んだところ、「うまくいっているときほど、自由時間のうちの20%を投資の時間に当てろ」と言うことが書いてありました。
「投資」とは、将来につながる勉強や仕事をしたり、趣味に没頭したりすること。
わたしの場合の20%は、「赤壁編以後」の勉強をする時間と、「うさルート」などの作品の制作にあてています。

それをやり始めて気づいたんですが、なるほど、「うまくいかなくなってから、焦って投資しても遅い」というのは、まさに昔のわたしだったなあと。
おかげさまで、いまとても上手くいっていますので、ゲームなどの疲れてしまう趣味のことはあえて忘れなければ、と思っています。
創作に没頭しよう。
ゲーム、せっかくたくさん集めたのに、もったいないんですが……仕方ないですね、どちらかを選ばねば、目も手も頭も、もたない。

というわけで(?)、早起きはやめましたと言う話と、うまくいっているときほど自分に投資しようと思った話でした。
投資のことはともかく、早起きのことは、みなさんの参考になればさいわいです。
(皮膚科でマイナ保険証を使ってみました。簡単に使えました。問題なかったです)

おお、そんなよもやま話をしているあいだに、こんなに長くなっていた!
最後までお付き合いくださったみなさま、ありがとうございました。
それと、サイトのウェブ拍手を押してくださった方も、ありがとうございます!(^^)!
おかげさまで絶好調でございます!
みなさんの励ましがあってこそ、やる気も出るというもの。
今後もがんばります(^^♪

ではでは、お付き合いくださったすべてのみなさまに、大いなる幸あれ。
またお会いしましょう('ω')ノ

牧知花

黒鴉の爪痕 その18 白と黒

2024年12月07日 09時59分31秒 | 英華伝 序章 黒鴉の爪痕
大広間にいた者のなかで、簡啓《かんけい》をはじめ孫直《そんちょく》の席のそばにいた者は、孔明の采配で、順番に事情を聞かれた。
かれらの話を総合すると、孫直はたしかにちょくちょく厨房に出入りをしていたらしい。
それが周慶《しゅうけい》の言うとおり、『つまみ食いをするため』だったのかと孔明が問うと、そうではなく、蘇果《そか》が目当てだったのだろうというのが、大方の意見だった。
その蘇果は、大広間の片隅で、侍女たちと一緒になって呆然と立っていた。
いい仲だったという話だから、とつぜんの恋人の死に、声もあげられないのかもしれない。


白妙《はくみょう》に怪しいところがなかったかと、それぞれに尋ねてみたが、だれもが、
「白妙にそんな度胸があるとは思えない」
と答えた。
どうやら、下働きには似合わない、かなりおっとりした娘であったようだ。
白妙が皿を入れ替えたところを見たのは、周慶以外になく、蘇果にたずねても、彼女は首を横に振るばかりだった。
さらには、
「具合が悪うございます、休ませていただいてよろしいですか」
と、真っ青な顔で言われたので、孔明は侍女のひとりを蘇果に付き添わせ、下がらせた。


ついで、周慶にほんとうに皿を入れ替えるところを見たのか、念を押して尋ねる。
周慶は、ぎゅっときつく両手の指を組んで、祈るように答えた。
「間違いありませぬ、なんでそんなことをするのかと叱ったので、また戻したかと思っていたのですが、戻していなかったのですね」
「なぜわかるのだね」
「はじめに軍師さまにお分けするはずだった鶏肉は、骨付きではなかったのです。
でも、軍師さまの皿には、骨付きの肉があります。
それが、孫直どののところに行くはずだった皿ですわ」


孔明はおのれの食べかけの骨付き鶏肉を振り返った。
白妙が皿を入れ替えていなかったら、自分の命は今頃なかったわけだ。
皿を入れ替えた以上、白妙が怪しいのではなく、白妙が皿を入れ替える直前に膳に近づいた者のほうが怪しいのではと、孔明は考える。
だが、それを尋ねると、周慶の記憶はあいまいで、
「大勢の料理人が忙しくしておりましたので、特別おかしなふるまいをした者は、白妙以外に記憶にありませぬ。
あの子ったら、厨房で蘇果と孫直どのが仲良く話をしているのを見て、どうしても孫直どのの気を惹こうと思い詰めてしまったのですね。
だから、注意しても皿を戻さなかったのだわ……」
とのことだった。


孔明は、なるべく許可なく大広間から人が出ないよう命令していたのだが、気づけば劉封《りゅうほう》の姿がない。
「劉封どのは、どこにいるのですか」
思わず声が尖る。
すると、簡啓が、申し訳なさそうに口を開いた。
「白妙の様子を見に行くのだといって、出て行ってしまいました」
「止めなかったのか!」
孔明の傍らにいた趙雲がきつく咎めると、簡啓は、すみません、と縮み上がった。
「いかんな、あいつめ、白妙を逃がしてしまうかもしれない、ちょっと見に」
行ってくる、と趙雲が言いかけたところで、ほかならぬ劉封が、白い顔をして戻って来た。
人間、ここまで生きたまま白くなれるのかというほど血の気がなく、さきほどまで身なりも整えていたのに、結った髪も冠の位置も崩れて、衣は水に濡れている。


劉封の姿に、みなが唖然としていると、かれはがくっと膝から崩れ落ち、涙声で言った。
「白妙が……逃がそうとしたのに、井戸に身を投げた」
「なんだって」
「わたしがちょっと目を離したすきに……白妙は死んだ!」
そう言うと、劉封は地面に身を投げるようにして、大声で泣き出した。


劉封のことは、簡啓にまかせて、孔明たちは急いで白妙が身を投げたという井戸に向かった。
井戸は、兵舎のそばのちょっと引っ込んだところに掘られたもので、すでにその死体は井戸から引っ張り上げられていた。
孔明は白妙の衣をあらためたが、そこには黒い烏《からす》の羽根はない。
そのかわり、襟首のところに密書が隠されていて、開いてみると、曹操宛のものだった。
新野城の内部の様子、孔明の仕事ぶりとその能力、どれくらい城になじんでいるかなどのこと細かい報告が、そこにはある。
「やはり『黒鴉』とやらは、白妙だったのか」
だれかが、悲し気につぶやいた。


つづく

※ 事件、解決……??
いやいや、まだつづきます。
「序章」にあるまじき長さかもしれない、今回のお話。
もうちょっとだけお付き合いくださいませー;
ではでは、次回もおたのしみにー(*^▽^*)

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