今日、高脂血症の治療に通っている医院へ、血液検査の結果を聞きに行った。
悪玉コレステロールと、脂肪肝の数値、血圧、いずれも順調に減っていた。ちょっと自信がなかったので、一安心。
そんなに頑張ったわけではないが、食事、運動など、折にふれて気を付けてきた。お医者さんは、「それが、一病息災の効果ですよ」という。
自分では、行動様式を変えたことが、数値改善の原因ではないかと思っている。
状況は変わらないし、両親の心身の衰えは確実に進行しているが、日々生じる出来事に対して、常に「空と縁起」、そして、ダライ・ラマ法王がいつもおっしゃっている「慈悲心」ということを念頭において、考えたり、行動したりするようにしている。
何事かが起これば、瞬間的には血が逆量したりするけれども、できるだけ平常心になるように、自分の意識を整える努力をした。その結果、無意味に不安になったり、パニクったりしなくなったように思う。
インターネット寺院、彼岸寺のメンバーで雲水の樋口星覚さんが主宰している「雲水喫茶」というウェブサイトがある。そこに、ポーランドの禅僧、法純さんのブログ「波蘭(ポーランド)だより」も載っている。
法純さんがいかにして禅僧となったかという物語も面白いが、仏教の教えを日々の暮らしに即して説いている文章は、とてもためになる。時々、「て、に、を、は」を間違えて解読に苦労する文章もあるけれど、法純さんの日本語は相当なものだ。
先日のテーマは、因果、業について。要約すると、
「人間は、今ここにある人生のコンテンツを受け入れたがらず、いつも今の状況を変えたいと思っている。いつもそうしていると、今ある世界と自分の間に隔たりをつくってしまうのではないか」
「それを仏教では無明(梵語でavidya)という。本来の仏性を離れるということだ。本地が見えず、妄想の中で生活を送り、充実することもできない」
「そういう状況を仏教では苦(dukkha)といい、いつも満足できず、自分の外にばかり幸せを探す」
「縁起とは、すべてのものは、みんな縁によって起こるという意味。今の縁(状況)は、前の業(karman)の結果であり、業は因果の法則に従って生じるから、そこに責任が存在する。責任をとることができれば悪業は集まらなくなる」
「業=癖というふうにとらえてみよう。たとえば、誰かに怒られると反射的に怒りを返すというふうに、人は、毎日、毎回、同じパターンで振るまっているのに、自分の反応(原因)と結果について考えない。こうして、悪業が積み重なる」
「悪い癖を減らし、良いことを積み重ねて、自分で現実を創っていくと、受け身ではない、積極的な人生になる。自分が自分の幸せのマスターとして人生を送ることができる」
「お釈迦様はおっしゃっている。自分の過去(因)を見たいなら、今の人生(果)を見なさい。自分の将来(果)を見たいなら、今の人生(因)を見なさい」
「これが仏道です」と法純さんは結んでいる。