おまけの人生・・・

無理なくボチボチやって行きます・・・(;^_^A

手紙

2006-11-09 22:27:25 | 邦画
『 手紙 』

 プロのお笑い芸人になる夢を持つ青年、直貴。しかし彼は、夢や仕事、恋愛といったもの全てを諦めていた。
それは兄の剛志が、彼を大学に行かせるために強盗に入った家で殺人を犯し、刑務所に服役しているためだった。

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06/11/08 【 微妙 】
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 前半のこれでもか、これでもかって言うくらいの獄中の兄との手紙のやり取り・・・
気持ちは分からなくはないが、何か変!
お互いの身体のことを心配したり(それは当たり前のことなんだが)、仕事や作業の報告をし合ったり・・・
弟が近況報告として仕事のこととか知らせるのは分かる、だけど、兄の方はもっと書かなきゃならない大切なことがあるだろう!
「おかしい! 変!」と思いながら観ていたら、案の定弟が壊れた・・・
当たり前だよね・・・

そもそも、動機からして間違ってるよ!
自分はちゃんと学校を出ていないから弟にはちゃんと学校に行って欲しい・・・
それはいいよ。それはそれで兄の夢や希望として持つのはいいよ。
弟の気持ちは?
弟はそんな兄の気持ちを察して、兄に応えようと頑張って勉強して進学高校の学年トップクラス
でも、本当にそれが弟の希望だった?夢だった?
違うよね?
弟はお笑い芸人になりたかった!
人を笑わせるのが弟の夢だった!
でも、兄の気持ちに応えようと頑張って勉強して大学に進学予定にしていた。

しかし・・・
弟の学費を稼ぐために無理して働き続けた兄は腰を痛め、職場をクビになった・・・
自分が仕事ができなくなったから、学費を稼ぐことができないから押し込み強盗に入る!?
それっておかしくないですか!?
仕事ができない人のために生活保護法って言うものがあるのではないでしょうか・・・?

おまけに、弟が好きだったのを思い出して甘栗を盗ろうとしたところに家人が帰って来て・・・
「ごめんなさい、すみません、返しますから騒がないでください・・・」とすがりついて泣きながら懇願するくらいだったら最初から押し込み強盗なんかに入らなきゃいいじゃない!?って話なんだけど・・・

もっと性悪な兄で、その兄が殺人を犯して服役中で、でも、ほんとは兄弟は仲がよくてとか言うのだったら、獄中の兄との手紙のやり取りも美しい兄弟愛として受け取れることができたのかもしれないが、この設定でのあの内容の手紙のやり取りがなんかシラける一方で・・・

4年ぶりに手紙を書きますと言って書いた弟の本音の手紙を読みようやく自分のやったことのことの重大さに気付く兄・・・
遅すぎるよ!服役して6年も経ってからようやく気付くのか・・・!?
元々が優しい弟想いの兄だったのなら、犯罪者になった時点でそれに気付いてしかるべきではないのでしょうか?

あまりにもクサイ兄弟愛劇に興醒めの気分になった頃に杉浦直樹扮する会長の言葉・・・
「差別を理不尽と思うのではなく、ここから這い上がって行くのだよ。私に手紙をくれた人とはもう1本の糸で繋がっているではないか?これからその1本をもっとたくさんに増やして行くのだよ」
今までのあまりにもクサイ兄弟愛ごっこはこの会長の言葉のためにあったのか!?

号泣必須と言われていたこの映画・・・
涙腺の弱い私は呼吸困難になるかもしれないと覚悟して行ったのだが、この会長さんの言葉のところでやっとウルッ・・・ときました。
その次は被害者の息子さんが「あんたが母を殺したわけじゃないのだから、あんたに謝ってもらう筋合いはない。もう終わりにしましょうや・・・」と言った時。
どれだけの憎しみを抑えて、どれだけの思いをして、そして辿り着いた答えなんだろうか・・・?
きっと、辿り着いてはいないんだろうと思う。
でも、そう言わないと、そう思わないとやりきれない気持ちと言うのも分からなくはない・・・

加害者の身内として周囲からの誹謗中傷を浴びせられ、人との関わりを避けるように転々と仕事や住まいを変え、ひっそりと息を詰めるようにして暮らさなければならない精神的に追い詰められた弟の役を山田孝之はとても上手に熱演していたと思う。
隠れるように暮らしていながら、お笑い芸人を目指し、テレビに出て有名になってしまうと言うのも何だか矛盾したような皮肉な話だったが・・・

たしか、山田孝之だったよね? 隠し子とか認知とかって・・・
後半の4歳の娘と関わるシーンって自分の子どもと被ったりしたのかな~?って思いながら観てしまった、、、。(苦笑)