強い目線を感じて見下ろすと、
桃惠さんが散歩を誘っています。
オッチャンは九時過ぎないと戻らないので、
ゴミ出しついでにロングコースを歩きましょう。

途中、友人Pちゃんに朝の挨拶をし、
帰りは公園に向けて歩きました。
桃惠がリードするままに歩いていると、
登校前の小学生がなにやら言い合いをしている。
言いつけてやったからな
とか
勝手に犯人扱いして
とか
タイメンでやったろうか
などの言葉で
身体の大きい男子が小柄な男子を問い詰める。
推察するに、エレベーターで階下に降りようとした小柄な子。
誰かが「開」のボタンを押し続けていて、
エレベーターが上がってこなかったらしい。
それをやったのが大きい子と思ったようです。
真偽の程は分かりませんが気になるので、
しばらくついて歩きました。
大きい子とほかの子たちは前を歩き、
小柄な子はオカンの陰を歩きます。

と、その時。
沿道の花壇に大きな蜂が二匹飛んでいましてね。
驚いてワーッと駆け出すものだから、
「急に動いたらいけんよ。静かにな!」
「蜂は黒いものを敵と思って攻撃するからね」
「暑い季節だし、これからは明るい色の帽子を被りんさいよ」
などと、
老婆心そのままに注意をしたら、
大きな子も素直に聞いていましたわ。

分かれ道に出たのでサヨナラして帰りました。
