「大きな音が聞こえるか」坂木司著
退屈な毎日を持て余す高1の泳(えい)。
退屈な毎日を持て余す高1の泳(えい)。
サーフィンをしている瞬間だけ は、全てを忘れられる気がした。
そんなある日、泳は“終わらな い波〝ポロロッカ〟の存在を知る。
「この波に乗ってみたい──」。
こみ上げる想いに、泳はアマゾ ン行きを決意する。
アルバイトや両親の説得を経て、退屈な日常が動き出す。
降り立った異国で出会ったのは、様々な価値観と強烈な個性を持った人々。
泳はもがきながらも、少しずつ成長していき……。
解説・瀧井朝世
(裏表紙の解説文)
文庫で2センチの厚さに、何度か手にとっては棚に戻した本。
毎日治療に通うのだから、待ち時間に読み通すかな?と昨年末に借りてきた。
が、泳の成長に目が離せなくて思ったより早く読み終えてしまった。
資金作りに始めたバイトで様々な年代の人と関わり、
ブラジルでは日系人家庭に泊まらせてもらい、
ポロロッカでCMを撮影するチームの船に同乗させてもらい、
様々な人種に交わって机上では学べない勉強をする。
終わらない波と聞いてポロロッカに乗りに来たけど、それでさえ終わりは来る。
行きと同じく帰りも幾度も乗り換えて日本へ。
家に帰って両親の見せる反応に戸惑う泳。
「男の子は外に出すべきね」とつぶやく母。
そだね、昔から他人の釜の飯を喰うって言うもんね。
学校で学ぶだけが勉強ではない。
高卒で二年四ヶ月、住み込みのお手伝いさんを経験したオカン。
当時はしんどかったけど、今となれば面白い経験だったと思うのです。
スケールは全然違うけどね(テヘへ)