「マスカレード・イブ」東野圭吾著
前作「マスカレード・ホテル」で出会った二人の前段階をえがいている。
「それぞれの仮面」
「ルーキー登場」
「仮面と覆面」
「マスカレード・イブ」
以上四つの短編でなる一冊。
ホテル・コルテシア大阪で働 く山岸尚美は、ある客たちの 仮面に気づく。
一方、東京で発生した殺人事件の捜査にあたる新田浩介は、一人の男に目をつけた。
事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名をいわない。
殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。
お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。
二人が出会う前の、それぞれの物語。
(裏表紙の紹介文)
「マスカレード・ホテル」東野圭吾著
裏表紙の紹介文
都内で起きた不可解な連続殺 人事件。
容疑者もターゲットも不明。
残された暗号から判 明したのは、次の犯行場所が 一流ホテル・コルテシア東京 ということのみ。
若き刑事・ 新田浩介は、ホテルマンに化 けて潜入捜査に就くことを命 じられる。
彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。
次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!?
いま幕が開く傑作新シリーズ。
月曜日の午後はストレッチ。
先生が部屋に入るなり興奮気味に
「みなさん、彩雲見ましたか♪」と。
皆でバタバタと窓に走り見上げました。
西寄りの太陽の周りに二重の虹が出ていました。
屋根庇に邪魔されて全体を写せなかったのが残念だった(涙)
「江の島ねこもり食堂」名取佐和子著
タイトルに「ねこ」が付いていたので借りてきた本。
名取佐和子さんの本は「金曜日の本屋さん」を読んでいるようだ。
母から娘、そしてその娘へと百年を短編でめぐるお話。
物語は江の島にある半分亭という名の、
時代とともに商売の形態を変えてきた店を中心にすすむ。
「ねこと常連さんのおかげで続いてきた」という女系の店主は、
代々が江の島の野良猫を世話してきた「ねこもり」さん。
節目節目に姿を現すのは背中に太い茶の縞をもつトラ猫のトラ。
2002年 麻布(まゆ)
1915年 すみゑ
1963年 筆
1988年 溶子
2017年 麻布
佐宗(さそう)家代々の4人の女性が主人公。
借金のため夜逃げする家族と少女。
成金が連れてきた吉原の遊女見習いと子守の少女との出会い。
身体が弱く半ば結婚を諦めている女性と駐在さんの恋。
早くに母親を亡くし、複雑な思いを抱え、家を島を出たいと願う娘。
夜逃げして松島に住み着き、紆余曲折して一児の母となったかつての少女。
それぞれの顛末と最後に繋がる物語、良かったな。
麻布をあざぶと読んでしまって、最後までまゆと読めなかった…。
お話の進み方が似ていて思い返したのが、
昨年四月に読んだ「あわのまにまに」(吉川トリコ著)だ。
このお話も主人公を替えて過去へ遡りながら、
何故この家族が出来上がったのかを明かしていくのだったわ。
なんとなく予想していた関係性は最後にというか、
始まりそのものが複雑で「だから、そうだったのね!」と心に残る話だった。