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チラシの裏

マンガで育った60年

2013年01月29日 | マンガ
春日井リヴィンというモールショップで、
毎年この時期に開催される古書即売に行ってきました。
開催期日の終わりのほうだったので、おもしろいものは抜かれてしまった後なんでしょうが、
文庫棚に突っ込まれている角川文庫版の江戸川乱歩作品の背表紙(青地に文字白抜き)とか見ていると
中学生のころにタイムスリップしてしまいます。
まだころがっているんだなあ、春陽文庫の乱歩のも。

で、買ったのは辻真先の「マンガで育った60年」(東京新聞出版局)。
中日新聞夕刊(首都圏だと東京新聞)に連載されていた著者によるマンガ個人史で、
戦前から80年代(00年代ぐらいの人も?最近のマンガには暗いので)くらいまでの
人気マンガ家への感想を綴ったもの。
作品・作家評論というより副題に書かれてあるとおりの私史。
(感想文か思い出話に近い)

しかし、戦後生まれの評論家が調べたことを書いたものとは違い、
戦前から手塚治虫出現あたりまでは『自分が読んでいた実体験』を書いているので、
そこは意外に読みどころ。
作品のカット(1つだけですが)が入っているところもGood。

たしかに手塚以降のマンガ作家についてはつけ加えることはないような気もしますが、
手塚以前の作家については貴重な記録ではないでしょうか。
戦前のマンガを読んでいた人は、こういった文章を残していないと思われますので。
しかし、辻真先はほんとに評価されない人ですねえ。
密林での同書のコメントも散々ですし。


アニメ脚本を書きすぎて、伝説の人みたいに封印されちゃっているのかもしれません。と思っていたらミステリもこんなにいっぱい書いているんですね。




※冒頭の故市川治による凛とした台詞は今でもソラで言えます。
途中で出てくる黒いカッコした未来人は敵役のジャガーですね。
ジェッター君と一緒にいるのはベレー帽がチャームなカメラマンの、かおるさんです。

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