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幻想文学入門

2012年11月17日 | ファンタジイ
編著の東雅夫の意気込みが熱い!
文章は淡々としてますが、行間からモウモウと熱気が立ち昇っています。
本邦からは澁澤龍彦、平井呈一、紀田順一郎、中井英夫、倉橋由美子といった
強面の方々のエッセイが並んでいます。
平井呈一のエッセイ「私の履歴書」がよかったなあ。「真夜中の檻」を持っていないので、ちょっと嬉しかったです。
平井翁曰く、
「『ユドルフォの謎』は読みづらくて退屈」、
「怪異小説の作家はみなマイナー」、
「十九世紀から二十世紀初頭にかけての怪異小説黄金時代の古本を少しずつ集めては、
日向ぼっこをしながら残り少ない余生をおくる」等々。
平井呈一のぞろっぺえな江戸弁がお気に召さないかもしれませんが、
「黒死荘殺人事件」(JDカー)の古文書パートは、平井呈一の擬古文調が楽しいです。
西洋からはロジェ・カイヨワ、シャルル・ノディエ、ラヴクラフト、小泉八雲の4巨頭。
ラヴクラフトによる怪奇小説通史は「密室講義」の怪奇小説版みたいで楽しいです。

■幻想文学入門 東雅夫編著 ちくま文庫
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