いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

ユーサフ・カーシュ作品展

2011-11-03 05:22:30 | その他
六本木ミッドタウン。

10月29日から今日まで
年に1度のデザインの祭典
デザインタイドが開催されています。



その際、ミッドタウン内の
富士フィルムスクエアに
面白い展示があるとの情報を聞きつけ
早速行ってきました。

ユーサフ・カーシュ作品展
ポートフォリオ
FITTEEN PORTRAITS。
10月末までの開催予定ですが
会期を延長して行われていました。

ユーサフ・カーシュとは1908年生まれの
カナダ出身の写真界の巨匠
各界の著名人のポートレートで有名です。

特に下の写真の
ウィストン・チャーチル。



ディレクターズスーツに
ポルカドットのボウタイ。
そして懐中時計のチェーン、、、
チャーチル定番の装いです。

この写真が1936年創刊の
もっとも有名なアメリカのグラフ雑誌
「Life」の表紙を飾り
カーシュを一躍世界的に有名にします。

カーシュがこの写真を撮った時のコメントによると

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1941年チャーチルがオタワを訪れた際
周到に撮影の準備をした議長室に
時のカナダ首相マッケンジー・キング首相
そして側近を従えたチャーチルを
招きいれた。

フラッドライトを点けた瞬間、驚いたチャーチルは
「何だ?これは何だ!」と怒鳴った。
誰も説明しようとしないので、私がおどおどしながら進み出て
「閣下、このような歴史的な瞬間に
 お写真を撮らせていただけると光栄です」というと
チャーチルはこちらをちらりと見て
「なぜ事前に一言ないのかね?」と言った。

側近たちが笑い出し
そして、チャーチルは葉巻に火をつけ
いたずらっぽく煙をふかした。

そして鷹揚に態度をやわらげ、
「1枚とってもよかろう」と言った。

しかしチャーチルはいつまで待っても
葉巻を口から離さないので
私は何も考えずに
丁重に「失礼します」と言い、葉巻を口から引き抜いた。

カメラに戻ると、チャーチルは噛みつかんばかりに
私を睨みつけていた。
写真を撮影したのは
まさにその瞬間だった。

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このチャーチルの何とも言えない表情。
私もとても好きな写真の1枚ですが
その背景が納得出来るエピソードです。

この写真展、その他にも
ヘミングウェイやアインシュタイン
そしてピカソなど代表的作品が展示されている
とても希少価値の高い展示会です。

ぜひ、秋の装いをして
出かけてみてはいかがでしょうか、、、