徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

レオナルド・ダ・ヴィンチ展

2005-11-02 | 美術
レオナルド・ダ・ヴィンチ展  直筆ノート「レスター手稿」日本初公開

平日割引で表記に行く。まずは、レオナルド・ダ・ヴィンチLeonardo da Vinci(1452~1519年)レスター手稿The Codex Leicester(1505、1507ー1508年)の解説のコーナ。ここは池上先生のビデオ解説、多くの皆様のBlogで予習させていただいていたので、フムフムと見てまわる。左利きなのでデッサンの影のつけ方が違うという説明には、写真での説明に納得。

そして本番の18枚・72ページのレスター手稿。天文学、流体力学、地球物理に関する研究。月の満ち欠けや天体の運動などの天文学、渦や波紋などの、サイホンの原理、川の治水、ノアの洪水と地殻変動、地球の構造、生命体としての地球などの考察。保存のため暗い。想像していたよりは大きくて普通のノート(29.5×21.8)のイメージ。鏡文字ぎっしりと書き込まれている。ある意味、500年前と最近(PC以前)までノートの利用法は変わらない。展示では1ページから順に見たわけではないのでよくわからなかったが、線で消して修正をした様子は余りないので、メモというよりは最終原稿に近いイメージか。

また学習院大学の裾分一弘名誉教授が収集した世界の手稿のファクシミリをPCで概観できたのも素晴らしい企画だった。解剖図素描を含むウィンザー手稿など、イタリア、イギリス、フランス、スペインに他の手稿は保存されているとのこと。さらにファクシミリを積み上げた8000ページという量に圧倒された。

レオナルドの年譜は、勉強になった。岩窟の聖母が2点あるとか、レオナルドの絵画が年譜に沿って解説されていた。

レオナルドの分析の面が手稿で、統合の面が絵画として結実したのだろうが、分析に興味が行き、統合としての絵画は寡作になったということか。

ヴァザーリの美術家列伝の初版本(1550年)、第2版(1565年)があったのには感激。図版が画家ごとに印刷されていた。フランチェスコ・メルツィという弟子がまとめたウルビノ稿本(ファクシミリ)、それをまとめた絵画論(1651年)も展示されていた。

(11月2日)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする