やまとうた-美のこころ @宮内庁三の丸尚蔵館
平成17年10月8日(土)~12月11日(日)
前期:10月8日(土)~11月6日(日)
後期:11月12日(土)~12月11日(日)
20日のNHKの日曜美術館で五島美術館を中心に古今和歌集の世界が紹介されたが、その最後にちらっと三の丸尚蔵館でも展示していると。別に古今和歌集に凝っている訳ではありませんが、古今和歌集1100年を記念した展覧会とあれば、生きているうちにそうは一堂に会することもないと思えて、慌てて、出光美術館、五島美術館に引き続き、三の丸尚蔵館の 「やまとうた-美のこころ」に行ってきました。電車の宣伝以外は、日経の記事ぐらいしか読まず、最近みなさんのBLOGは大変参考になっているのですが、それでも、三の丸尚蔵館の展示は、新聞社の後援も何もないので、見落としてしまいますね。
残念ながら、もうすでに後期で、図録も売り切れているという状態。「本阿弥切本古今和歌集 伝小野道風 1巻」(京都国立博物館にある別の巻は国宝です。現在展示中です。)「粘葉本デッチョウボン和漢朗詠集 伝藤原行成 2帖」 や「井手玉川・大井川図屏風 狩野探幽 六曲一双 江戸時代」などは終わってしまっていました。(パンフレットにはこれらの写真がでています。)
それでも、「大江切本古今和歌集 伝藤原行成 1巻」「巻子本和漢朗詠集 伝藤原公任 2巻」など素晴らしい書です。(といいながら、伝藤原行成 伝藤原公任は、この一ヶ月さんざん見ましたが区別がつきませんが。)後者は色が異なる料紙を継いであります。
「古歌屏風(左隻) 智仁親王 六曲一隻 桃山時代(16~17世紀) 」は、金屏風にいきなり墨で筆を走らせるという庶民にはとても勇気がいってできない代物。「三十六歌仙色紙形写 智仁親王 1巻 桃山時代、慶長4年(1599) 書陵部」「三十六歌仙絵入冊子 智仁親王 1冊 桃山時代(16~17世紀) 書陵部」は、特に絵入り冊子は、愛嬌のある絵で、屏風とあわせて人柄が偲ばれます。
「二十一代集 1具 桃山~江戸時代初期(16~17世紀) 書陵部」。三井記念美術館でも源氏物語の箪笥を見たが、和歌集の冊子をいれる箪笥があるということ自体がすばらしい。
「宸筆伊勢物語絵巻 断簡(関守) 伏見天皇 1幅 鎌倉時代(13~14世紀) 御物」伏見天皇は書体を使い分けるが、この書風は伊勢物語らしい雅な書風で見とれてしまう。
「伊勢物語(絵本) 3冊 江戸時代(18世紀) 書陵部」右のページには美しい手書きの絵、左のページには優雅な書風で書かれた冊子の絵本。近世の物ですが、すでに版木で庶民は本を読んでいた時代に、美しい手書きの絵本です。
「西行物語絵巻(巻第一・巻第2) 尾形光琳」は先般根津美術館で拝見したのは別の箇所でした。
「秋野図・佐野渡図屏風 六曲一双 江戸時代(18世紀)」は古今和歌集を画題とした屏風。
次回の展覧会は「花鳥ー愛でる心、彩る技」(平成18年3月25日から9月10日)です。紀宮清子さまの作品も展示されるのでしょうか。(追記:結局若冲の展覧会でした。記事はこちら)
三の丸尚蔵館のあと小堀遠州の造園の二の丸庭園を一寸散策。紅葉がきれいでした。カメラを忘れたのが残念。ガマズミやムラサキシキブが実をつけていました。写真は携帯で撮ったムラサキシキブです。
(11月26日)
平成17年10月8日(土)~12月11日(日)
前期:10月8日(土)~11月6日(日)
後期:11月12日(土)~12月11日(日)
20日のNHKの日曜美術館で五島美術館を中心に古今和歌集の世界が紹介されたが、その最後にちらっと三の丸尚蔵館でも展示していると。別に古今和歌集に凝っている訳ではありませんが、古今和歌集1100年を記念した展覧会とあれば、生きているうちにそうは一堂に会することもないと思えて、慌てて、出光美術館、五島美術館に引き続き、三の丸尚蔵館の 「やまとうた-美のこころ」に行ってきました。電車の宣伝以外は、日経の記事ぐらいしか読まず、最近みなさんのBLOGは大変参考になっているのですが、それでも、三の丸尚蔵館の展示は、新聞社の後援も何もないので、見落としてしまいますね。
残念ながら、もうすでに後期で、図録も売り切れているという状態。「本阿弥切本古今和歌集 伝小野道風 1巻」(京都国立博物館にある別の巻は国宝です。現在展示中です。)「粘葉本デッチョウボン和漢朗詠集 伝藤原行成 2帖」 や「井手玉川・大井川図屏風 狩野探幽 六曲一双 江戸時代」などは終わってしまっていました。(パンフレットにはこれらの写真がでています。)
それでも、「大江切本古今和歌集 伝藤原行成 1巻」「巻子本和漢朗詠集 伝藤原公任 2巻」など素晴らしい書です。(といいながら、伝藤原行成 伝藤原公任は、この一ヶ月さんざん見ましたが区別がつきませんが。)後者は色が異なる料紙を継いであります。
「古歌屏風(左隻) 智仁親王 六曲一隻 桃山時代(16~17世紀) 」は、金屏風にいきなり墨で筆を走らせるという庶民にはとても勇気がいってできない代物。「三十六歌仙色紙形写 智仁親王 1巻 桃山時代、慶長4年(1599) 書陵部」「三十六歌仙絵入冊子 智仁親王 1冊 桃山時代(16~17世紀) 書陵部」は、特に絵入り冊子は、愛嬌のある絵で、屏風とあわせて人柄が偲ばれます。
「二十一代集 1具 桃山~江戸時代初期(16~17世紀) 書陵部」。三井記念美術館でも源氏物語の箪笥を見たが、和歌集の冊子をいれる箪笥があるということ自体がすばらしい。
「宸筆伊勢物語絵巻 断簡(関守) 伏見天皇 1幅 鎌倉時代(13~14世紀) 御物」伏見天皇は書体を使い分けるが、この書風は伊勢物語らしい雅な書風で見とれてしまう。
「伊勢物語(絵本) 3冊 江戸時代(18世紀) 書陵部」右のページには美しい手書きの絵、左のページには優雅な書風で書かれた冊子の絵本。近世の物ですが、すでに版木で庶民は本を読んでいた時代に、美しい手書きの絵本です。
「西行物語絵巻(巻第一・巻第2) 尾形光琳」は先般根津美術館で拝見したのは別の箇所でした。
「秋野図・佐野渡図屏風 六曲一双 江戸時代(18世紀)」は古今和歌集を画題とした屏風。
次回の展覧会は「花鳥ー愛でる心、彩る技」(平成18年3月25日から9月10日)です。紀宮清子さまの作品も展示されるのでしょうか。(追記:結局若冲の展覧会でした。記事はこちら)
三の丸尚蔵館のあと小堀遠州の造園の二の丸庭園を一寸散策。紅葉がきれいでした。カメラを忘れたのが残念。ガマズミやムラサキシキブが実をつけていました。写真は携帯で撮ったムラサキシキブです。
(11月26日)
三の丸尚蔵館第39回展開催要領 概要から:
やまとうたは,人の心を種(たね)として,よろづの言(こと)の葉とぞなれりける。世の中にある人,ことわざ繁(しげ)きものなれば,心に思ふことを,見るもの聞くものにつけて,言ひ出(いだ)せるなり。
四季が巡る豊かな風土に恵まれたわが国では,人々の鋭敏で繊細な豊かな感受性が培われ,それをわずか三十一文字(みそひともじ)の和歌に表す文化が発展してきました。紀貫之による『古今和歌集』序文冒頭のこの文章は,今日まで最も良く和歌を定義づけた言葉として知られています。
今年は,この『古今和歌集』が成立して1100年,『新古今和歌集』が成立して800年という節目の年に当たります。和歌は,日本文化のあらゆるものに多大な影響を与えてその様相を豊かにしてきましたが,とりわけ『古今和歌集』と『新古今和歌集』は,『万葉集』と共に和歌の世界の中心として広く親しまれてきました。
『古今和歌集』は,醍醐天皇の勅命のもと,紀貫之らによって編集された最初の勅撰和歌集です。およそ千百首の歌が,春夏秋冬や賀・恋などの分類に整理され,この項目は以後の和歌集編纂の規範ともなりました。また,後鳥羽院の下命による『新古今和歌集』は,藤原定家らによって撰されたもので,約二千首の和歌が収められました。『万葉集』等の古典作品に基づく象徴的な表現には,余情妖艶(ようえん)の美を創り出す本歌取りの技法が多く用いられ,この歌風は連歌や能楽に影響を与え,和歌研究を活発にしました。
今回の展覧会では,『古今和歌集』『新古今和歌集』を通して,和歌を詠(よ)む心,それを学ぶ心,鑑賞する心,意匠化する心など,和歌に接する様々な想いから生み出された言葉(ことのは)の美,装飾美を紹介します。“やまとうた”の心に触れ,わが国が育んできた独自の文化の美しさを再認識していただければ幸いです。