赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

蒋介石神話の崩壊 コラム(489)

2022-11-28 00:00:00 | 政治見解



コラム(489):蒋介石神話の崩壊

『親日の台湾と反日の中華民国』のつづき)

台湾独立運動家のお話は続きます。


(■蒋介石4つの真実)

神話④:戦後、戦後賠償を自ら放棄した
<真実>:これも神話です。蒋介石は実際のところ、「もし日本が戦争賠償を出さなければ、 国民感情が許さない」と非常に強い姿勢で、日本に戦後賠償を要求しました。

戦後は日本人が台湾に残した、ほとんどの財産を自分の懐に入れました。換金したりしたその資産はアメリカや外国に持っていって隠してたわけです。その金額は、天文学的な数字になると言われています。

もし日本が賠償するとなれば、日本は資産をリスト化します。すると、その際に秘密裏に略奪した事実が明るみに出るとまずいというのが1点。また、戦後賠償で日本が不安定になるとまずいので、米国ダレス国務長官が蒋介石に、カネとメンツを引き換えに圧力をかけました。

「賠償請求権を自発的に放棄する」という一文を入れることで、メンツを保ったわけです。その後、それを、まさに国民党がこの一文を使って宣伝に利用したのです。

蒋介石とその一族の本当の性格や略奪の事実を知る人は彼をこう表現します。
Chiang Kai-shek(蒋介石) Cash my check(小切手を現金化する)と。

また、蒋介石一族を表現したいちばん有名な言葉は、They are all thieves, every damn one of them.(やつらは、一族みんな泥棒だ)という一文です。

トルーマン大統領は、35億ドルの援助を中国に送りました。しかし、蒋介石はそれが中国に届く前にその中から、7.5億ドルを自分の懐に入れました。これは、トルーマンの伝記に書かれています。


■真実を知らない4つの弊害

真実がどうであろうと、人を悪く思わないことは良いことではないか? と、日本人なら思ってしまう人もいるのですが、実はそうでもありません。

<弊害①>:真実から目をそらす行為
歴史からは色んな教訓が得られます。しかし、真実でない歴史をいくら学んでも、何の教訓も得られません。

<弊害②>:日本が下、中国が上の構図になる
この神話を信じてしまうと、中国が道徳的に上に立ってしまいます。日本は中国に道徳的な面で従っていかないといけないと思うようになります。

<弊害③>:中国への偽の贖罪心理が高まる
日本は中国に恩がある。だから、償わなければならない。そのような贖罪心理が非常に高まっていきます。例えばビジネスにおいても、多少、失敗しても仕方ない。昔中国には悪いことをしたから…と。

<弊害④>:台湾人の仇の肩を持つことになる
台湾=蒋介石になってしまうので、台湾が蒋介石から受けた迫害の歴史が目にはらなくなる。本当の中国が見えなくなるように、本当の台湾が見えなくなります。日本にとってますます重要度が増してきた日台関係も正しく掴むことができません。


■子々孫々に回るツケ

既にできてしまった神話だから仕方がないと思っていては、このツケ、この責任は、自分の子々孫々まで被害が及ぶでしょう。

南京大虐殺がいい例です。事実ではないのに、事実のように思われることで、とてつもない損害を被っています。世界中のほとんどの国々は、南京大虐殺は存在していると思い込み、ナチスのユダヤ虐殺と同列に置いてるわけです。

しかし、南京大虐殺は事実ではないとおそらく日本政府もわかっていると思います。それでも、日本政府から一言も反論はしない。

だから、未だに日本の首相が靖国神社参拝ができない。それを内政干渉とも思わない。日本の首相は靖国神社に参拝してはいけないという外国からの干渉を、日本人はあたり前のように受け入れてしまっているのです。どんどん自主権がなくなっていく。そのツケは子々孫々まで背負わせてしまう…

これが弊害です。歴史面の戦後処理をちゃんとしないと、本当の戦後はやって来ません。




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