赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

地球温暖化と電力消費量に歯止めがかからない コラム(435)

2022-06-28 14:57:50 | 政治見解



コラム(435): 
地球温暖化と電力消費量に歯止めがかからない


猛暑の参議院選

4日連続で猛暑日となりそうな今日28日、朝も早くから共産党の選挙カーが、地方区の候補者の名前を連呼し、耳触りの良い政策を訴えています。本人の声が聞こえないため、比例区候補の選挙カー(2台まで使用可能)を最重点区である東京都にさし向けているのだとは思いますが、実現能力がない政党であるため、好き勝手に物を言え、その上、高いガソリン代も公費で賄えるため共産党にとってもいい選挙システムなのかもしれません。

もともと比例区は、かつての全国区【※1】と同様、莫大な資金力と激しい運動量が要求されます。選挙後には帰らぬ人となった事例【※2】もありました。現在の選挙システムは大きく変わりましたが、それでも当選するためには個人の票集めは必至で、この暑さで、文字通り命がけの選挙になるのではないかと懸念しています。

【※1】選挙カー3台に、15人前後がメガホンをもって街頭で連呼する標旗隊の活動などもあった。莫大な資金力と組織力を駆使しての激しい運動量が要求されるため、銭酷区 残酷区と揶揄されたこともあった。

【※2】“走れコータロー”がヒットした時、これをテーマソングとして全国を駆け巡った村上孝太郎氏は、登院したのはたった一日で、三か月後には参議院議員在任のまま肝硬変で死去した。



猛暑と電力不足が突きつけることとは

ところで、この異常ともいえる暑さと暑さ対策に伴う電力の不足と言う現実に身をもって体験している参議院の各候補者と彼らを応援する代議士たちは一体何を思うのでしょうか。

彼らには、少なくともエネルギーの高騰がロシアのウクライナ侵略問題に端を発していること、地球温暖化問題が人びとの生存環境に大きな影響を与えていること、今日の文明が電力エネルギーで成り立っていることを踏まえ、いかなる手段で電力を確保していくのかという問題について、考えていただかなければならないと感じます。それを理解させるために天が彼らと私たちに試練を与えているのかもしれません。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではあってはならないのです。

現状では、地球温暖化を防ぐことと電力量を需要に応じて増やすことは相反するベクトルです。実際、化石燃料を使った発電は二酸化炭素を増やし地球温暖化を促進するだけです。

この矛盾を最小限にするためには原子力発電が最適ということにはなりますが、地震の多いわが国にとって活断層の上にある原発が果たして大丈夫なのかという懸念は、福島の事例を見る限り払しょくできません。

また、いま流行の兆しを見せている太陽光発電も、雨の日曇りの日の発電量は落ち、朝方と夕方は効率が悪く、夜間には当然電量がゼロになります。しかも、わが国は中国製の太陽光パネルを大規模に輸入する一方、中国企業が日本の土地を買収しているため、国家戦略としてこれでいいのかという疑問も残ります。まして、風力発電ともなると、騒音問題に悩まされそうです。

様々な発電の方式に問題があるのですが、それでも電力は必要です。特に、暑い夏場は、高温多湿になるだけにエアコンは必需品になります。

余談になりますが、1976年に渡部昇一さんが『知的生活の方法』を上梓して大ベストセラーになったことがあります。その一節に「クーラーの効用」という話があり、日本の夏にクーラー(エアコンのこと)をつけるのは知的生活にとって如何に有益かが力説されていました。多くの若者がこれに触発され、エアコンを買いました。私もその一人です。エアコンなしでは日本の夏は乗り越えることができなくなっています。

今夏のような猛暑、各家庭でエアコンを使えば膨大な電力の使用となりますが、これに将来、ガソリン車が全部EV車に移行することになると想像を絶する電力量となるようで、原発10基分の電力が不足する【※3】との警告があります。

【※3】2020年12月、日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は、国内の乗用車がすべてEV化したら夏の電力使用のピーク時に電力不足になるとし、「これは原子力発電で10基、火力発電なら20基に相当する」と述べた。

なお、今夏の猛暑による電力不足には、家庭で一番電気を食いながら無駄なものの筆頭のテレビを見ることを止めるのが一番だと思います。私たちに電力使用の制限を呼びかけるテレビメディアが電力の無駄遣いを一番多くしているのですから。

とくに、愚にもつかないワイド・ショーをみても知的に刺激するものなど一つもありません。本来なら、テレビメディアが放送を中断すればいいことで、これで電力の使用量も大幅に削減できます。しかし、彼らにその気はありませんから、逆に視聴者側から視聴率0%の現実をつきつけたら、少しは彼らも考えるかもしれません。



最後に、地球温暖化をもたらさず、しかも、電力またはそれにかわる動力源を確保し増産するアイデアはどこかにあると思うのですが、まだそれは現象として認識されていません。それが広く認識されるまではあと20年くらいかかるのかもしれませんが、それまでは地球温暖化と電力の使用は相反しながらともに増加していくように思えます。救世主が早く出現することを望むばかりです。



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