topics(653):米中首脳会談①――文明と野蛮との会談
米中首脳会談の模様が事細かにはいってきましたので、中国の戦争戦略である『超限戦』は後日に回しにします。なお、この会談の話は、毎日、午前と午後の2回、三日間にわたってお伝えします。
日本メディアも知らない相当に詳しい情報ですので、読者もきっと驚かれると思います。
文明と野蛮との会談
初の対面での実施になったバイデンと習近平の首脳会談。どんなことが話され、日本や世界にとってどんな意味があったのか? まずはG20の会談の冒頭で起きた象徴的なシーンから読み解いていきます…
11月14日にアメリカのバイデン大統領と中国の習近平が、インドネシアのバリ島で初めての対面会談を実施しました。今までに実は5回の電話会談やオンライン会談を行なってきたのですが、対面的会談は今回が初めてでした。
この会談を一言で表現すると、「文明と野蛮との会談」と言ってもいいと思います。
なぜそこまで極端なことを言うのか、中国のことになると、いつも過激な発言をすると思われてしまいそうなんですけれども、この「文明と野蛮の会談」という表現が妥当かどうか、あるワンシーンを取り上げて
見ていきたいと思います…
■中国共産党党員が米記者に暴力?
中国の第20回共産党大会で多くの人の頭に焼き付けられているシーンというのは、やはり前国家主席である胡錦濤を、無理矢理会場からつまみ出したということで、これはもうとても文明的とは言えない行為です。今回はさすがに、バイデン大統領を会場からつまみ出すということはしなかったんですけれども、首脳会談の冒頭、新聞記者に公開されているシーンで事件は起きました。
公開の写真撮影会と言ってもいい場面で、記者たちが退場する間際にアメリカのABCニュースのある女性記者が、突然声を上げ、バイデン大統領に「大統領、習近平国家主席に人権問題を提起するのか」と質問したのです。これは台湾でも日本でも、民主国家であれば、ごく自然のことでよくある出来事なんです。
ところが、その瞬間に中国の政府関係者がその女性記者のバックを後ろから引っぱり、無理矢理外に押し出そうとしました。
その時に会場にいたアメリカのホワイトハウスのスタッフ2名がそれを阻止したのです。そして、「新聞記者の発言に干渉すべきではない」とはっきりと中国の政府関係者に言ったんです。
これは非常に象徴的なワンシーンでした。
まさに、文明とは何かと野蛮とは何かということが非常に明らかになったわけです。
(つづきは午後に掲載)
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