プーチン神話の崩壊 :230517情報
BRICSの今年の議長国である南アフリカが、「プーチンは来るな!」と言っています。この理由は? ロシア問題の専門家の解説をご覧ください。
テレ朝ニュース5月1日。
<BRICS(新興5カ国首脳会議)で今年の議長国を務める南アフリカがロシア側にプーチン大統領の出席をやよう求めていると地元メディアが報じました。
南アフリカのサンデータイムズは30日、南アフリカ当局がロシア大統領府に対し、プーチン大統領のオンラインでの首脳会議出席を提案していると報じました。>
なぜ? ピンと来た人もいるでしょう。
<ICC(国際刑事裁判所)がプーチン大統領に逮捕状を出していて、ICC加盟国の南アフリカはプーチン大統領が南アフリカへ入国する場合には逮捕しなければなりません。>
そうなんです。
国際刑事裁判所(ICC)は、「ウクライナの子供たちを誘拐させている容疑」でプーチンに逮捕状を出しています。そして南アフリカは、ICC参加国。だから、プーチンがBRICSサミットに来たら、【 逮捕する義務 】があるのです。
ちなみに日本もICCに参加しています。だから日本にプーチンが来たら、彼を逮捕する義務があります。なんというか、プーチンの国際的権威失墜のスピードは加速するばかりです。
プーチンは、BRICSを「反米の砦」として、とても重視しています。「BRICSが多極世界の核になる」と考えていました。ところが、いざ戦争になってみると、BRICSは、それほど強固な集まりでないことがわかったのです。
中国やインドは、ロシアが欧州に売れなくなった原油、天然ガスを大量に輸入しています。それは、ただ単に「激安だから」。ロシアは今、武器弾薬をとても必要としていて、北朝鮮から買い戻している状況。それでプーチンは、3月の首脳会談で、習近平に「武器弾薬を送ってくれ!」と懇願しました。
しかし、欧米日から制裁されたくない習近平は、にっこり微笑んで、「 いやだ 」と答えたのです。そして今度は、南アフリカが、「来たら逮捕しないといけなくなるから、サミットに来るな!」
プーチンの精神的打撃は大きいに違いありません。
さて、プーチン政権の来るべき崩壊は、2022年2月24日の「ウクライナ侵攻からはじまった」と歴史の教科書には記されるでしょう。しかし、私は「2021年初にはじまった」と考えています。2021年1月に何が起こったのでしょうか?
まず2021年1月17日、反プーチン勢力の指導者ナワリヌイが逮捕されました。2021年1月19日、ナワリヌイの同志たちが、【 プーチンのための宮殿 】という動画をYouTubeに出したのです。
https://www.youtube.com/watch?v=ipAnwilMncI&t=1911s
この動画、日本の人口に匹敵する1億2600万人が見ています。ロシア語の動画なので、見た人は、ほとんどロシア人でしょう。ロシアの人口は1億4200万人ほどです。だから、小さな子供と、パソコン、スマホを使わない老人以外、ほとんどすべての人が見たという感じなのです。
私は当時、この動画の影響について、「これで、『プーチンはクリーンで物欲がない真の愛国者という神話が崩壊した。神話による統治が不可能になるので、これからは『恐怖』と『力』の時代が来るだろう」と予測しました。
@たとえばダイヤモンドオンライン2021年2月8日
◆『クリーンな愛国者「プーチン神話」が崩壊、ロシアは力と恐怖の国になる』https://diamond.jp/articles/-/262022
で、今のロシアは、どうですか?
6年生の女の子が学校で反戦の絵を描いた。それで、父親は逮捕され、娘は孤児院送り・・・。こんなことが日常茶飯事で起きているのが、今のロシアです。
繰り返します。
後世の歴史の教科書には、「プーチン政権の崩壊は、ウクライナ侵攻によってはじまった」と書かれるでしょう。しかし、崩壊のはじまりは、ナワリヌイが【 プーチン神話を破壊した 】ことが真の原因なのです。
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