東北本線を乗り継ぐ旅は過去に何度か経験してきたが、今回の福島駅から先は初めての路線。
奥羽本線(山形線)12:51発の米沢行の普通電車に乗り込んだ。
2013年に日帰りで福島まで若冲展を観に来た時も福島駅で出発の案内表示板を見上げて「米沢まで行けるんだぁ」と思ったし、→こちら
昨夏に宮城まで行った時も福島駅のホームで並行して出発を待っていた米沢行の車両を見て思った。→こちら
日銀福島支店の東側の交差点が奥州街道から米沢街道へ向かう分岐点だったという。
もっとも、「米沢街道」は越後と米沢間を結ぶ、あるいは会津地方とを結ぶ街道をさすようで、
福島城下と米沢城下を結ぶ街道は「板谷街道」というらしい。
板谷峠! 藤沢周平の小説『漆の実のみのる国』の冒頭でも出てきたっけ。
車窓を眺めながら江戸時代の街道と鉄道とでは全然違うけど、並行する箇所もあるんだろうなと思いつつ、
米沢藩の時代に思いを馳せた。
そして、峠への急こう配を徐々に登っていき、板谷駅も過ぎて峠駅へ。
男性が数人、ドアの前に陣取っている。
「こんな山の中の駅で下りる人がいるんだぁ。しかもサラリーマン風なのに」と感心していると、下車するわけではなかった。
ホームに今どき珍しい駅弁売りのようなおじさんが立っていて、そこで駅弁のようなものを買うために一時的にホームに降りただけだった。
鉄ちゃんみたいな学生っぽい男子も連れの男子に「千円貸してくれよ」と千円札を借りて買っている。
ほう、千円かぁ。
とあまりの勢いについドアからおじさんに「1個ください」と千円札を渡し、物を受け取る。
駅弁ではなくお餅だった。
後から知ったのだが、峠駅の名物なのだそうな。しかも、停車時間が30秒しかないため、買えたらラッキーな争奪戦?みたいね。→こちら
福島-米沢間の普通電車は極端に本数が少ない。
同じ線路を山形新幹線が約1時間間隔で走っているけれど、おそらく峠駅には停まるまい。
なので、余計レア感があるようだ。
まぁ、本来なら12:51発の米沢行は青春18きっぷ利用の乗り鉄がたくさん乗っているはずで
彼らは峠の力餅のことは知っているから、峠駅では買いに走るはずだろう。
よって、私など呆気に取られて見ているだけのはずだったろう。
停車時間、たぶん30秒以上あったんではないかと思うが、コロナ禍の緊急事態宣言が首都圏に出ているということで
極端に旅行客が少なかったために、買えてしまったというワケ。
買ってしまった後、「これ、わりと早く食べないとだよねぇ」と途方に暮れてしまった。
とりあえず、米沢駅までの間に3個食べた。
柔らかくて甘い。食後だったけど、まさに別腹だった。
13:38、米沢駅着。福島から1時間もかからない。わりと近いんだ~と思いつつ、すぐ向かい側の山形行きに乗り込んだ。
最初は米沢を観光する計画だった。
だけど、翌日の目的地との関係で折り合いがつかず。前回(3年前の春)に続いて米沢素通り~
ちなみに、2018年4月は新潟から米坂線を経て山形へ。→こちら
大阪で働いていた時の上司が定年退職後の5年間、米沢で仕事をしていた。もう10年前のことだけど。
上司が米沢にいる間に訪ねていこうと旅行を計画したのだけど、神戸でアクシデント発生したことで
確保した休暇を米沢から神戸に泣く泣く変更したのは何年前のことだったかしら。
よくよく米沢とは御縁がないなぁと苦笑しつつ、山形駅へ。
(季節は違うけど2度目の車窓)
新幹線車両がすぐ隣って、やっぱ違和感だわ~
14:25に山形駅に到着した。
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