山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

原発ゼロに向けて

2012-09-19 | 活動日誌

9月15日に政府から「30年代原発ゼロ」を含む新エネルギー戦略が発表されました。

上はその日の朝刊です。

朝日新聞、日本経済新聞、読売新聞、産経新聞、東京新聞、そして毎日新聞を熟読しました。

同じ政府の発表が各誌による解釈がなされ、受け取り方の国民にこうも違う印象を与えるものかと改めて思いました。

やわらかく寄り添う形での報道もあるものの矢のように攻撃を行う報道もあり、

事実と独自の解釈が混在していて、ある意味国民の意識を誘導しているがごとくと感じました。

 

党の代表戦を意識した時期での発表だったのは作為的とも取れますが、

戦後の尋常ならざる原発推進体制の中、矛盾を抱えながらも「原発ゼロ」を目指すとしたことは評価できると思います。

これまでの原発反対デモに参加をし、訴えてこられた方々の要望を汲み取り、

ステップを踏んでまとめてきた報告書だと感じました。

 

それでも原発立地自体の廃炉後の産業や核燃料再処理施設の継続、建築中の原発はどうするか?

などは矛盾点としては否めません。もっと踏み込んで整理をした上で発表でも良かったのではないかと思います。

 

原発問題は種類の違う混在したジグソーパズルを5種類に分けて完成させていくようなもの。

そう簡単に事は進まないと思います。

もし政治主導で一気呵成に進めることが出来るとすれば、恐らくは独裁国家の異名もとる事になるのでしょう。

 

即時ゼロを目指す脱原発派の方々からはいかにも手ぬるい、

評価にも値しないものだという話が聞こえくるのは大変残念なことです。

 

私は即時原発ゼロを望みながらも、再生エネルギーの国民的な認知や産業の成熟、

省エネ住宅の国土交通省による基準作り、そして、原発立地自治体の新たな産業の育成など、

多方面での整備が整わなければ、いくら原発を止めたくても出来ないと考えています。

地味でコツコツと積み上げるような作業でしょう。失敗もあるし後戻りもある。

 

うれしい事に設計の仕事をしていたころから熱望していた、

省エネ住宅の基準が来年にも決定されていくとの報道もちらほら出てきています。

少しずつですが、条件が整ってきていると感じています。

 

「杉並区は住宅都市、ならばその住宅をすべて省エネ住宅にしていくような施策を講じてはどうでしょう?」

という提案をしてきたところ、来年度に策定予定の新エネルギービジョンに建物の専門家の意見も聞こうという流れが

出来てきました。

今はまだ一筋の小さな流れですが、それを大事に、ゆくゆくは押しも押されぬ大河に育てていこうと考えています。

 

小さなところからコツコツとがんばっていこうと考えています。