山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

公共施設マネジメント勉強会を実施しました。

2016-12-14 | 活動日誌

去る12月9日に、公共施設マネジメントの分野の第一人者、南 学先生をお迎えして、

区役所内の委員会室にて、杉並区議会議員と区役所の関連部署の方にお声がけをして、

勉強会を開催しました。


南学先生とは、外部の講演会でお話を拝聴した際に名刺交換をさせていただき、

それがご縁で今回の勉強会の講師としてお願いすることが出来ました。

写真:南 学先生


公共施設マネジメントとは、ざっくりと言うと、

主に高度成長期に建設された公共施設が一斉に老朽化による更新の時期を向かえ、

それと同時期に日本が少子高齢化社会、人口減少社会へと突入をしていくため、

納税者が減り、社会保障費が増大をしていく中で、全てを現行どおり建て替えをしていくのは難しく、

使い方や建て替え費用などを十分検討し、今までのような「運用」から一歩踏み込んで「経営」の視点が

必要となってくる、といったものです。

 

杉並区は現在は人口の流入により若干は増えていますが、

今後は他自治体同様に人口減少となってくると考え、

凡そ600箇所近くある公共施設の建て替えをするにあたっては、

他自治体の先行事例などを参考にしながら整備を進めていく必要があります。

 

以前住宅の設計をしていたこともあり、建築物がいったん出来上がってしまうと、

その利便性、居住性、そしてエネルギー性能は4~50年にわたって影響を及ぼす、

と区に訴えてきました。

 

だからこそ、一つ一つの公共建築物のあり方を捉えなおし、

最小限の経費で最大の効果が得られるように、

また、たとえ少子高齢の社会にあっても、次世代を担う子どもや孫の世代にあっても

豊かな環境で生活が出来るように考えて行かなければなりません。

 

こういった内容の講演会を是非とも杉並区の区議や実際に政策決定をしていく担当の方々にも

聞いていただきたいと企画を致しました。

 

区政に携わっていると、既存を踏襲することばかりにとらわれ、足元を絡めとられそうになることもありますが、

大きく視野を広げて、様々な角度から杉並区政を見ることが出来るよう、

今後とも、研鑽を積んで行きたいと思います。

 

南学先生プロフィール

略歴:神奈川県横浜市生まれ。昭和52年東京大学教育学部卒業、横浜市役所に就職、

環境事業局・経済局を歴任。平成元年、海外大学院留学派遣でカリフォルニア大学(UCLA)

大学院に留学。修士号取得(教育学)。帰国後、市立大学事務局、市長室、企画局を歴任し、

平成11年退職。平成12年、静岡文化芸術大学文化政策学部助教授(地域政策、公共サー

ビス等)に就任。神田外語大学教授を経て、横浜市立大学理事、神奈川大学特任教授、

内閣府行政刷新会議分科会評価者、自治体アドバイザーを経て現在は東洋大学客員教授。

主な著書は『自治体アウトソーシングの事業者評価―指定管理者制度とモニタリング・

第三者評価ー』(学陽書房)「先進事例から学ぶ成功する公共施設マネジメント」(学陽書房)