民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

語り手のわたしと聞き手のあなたが
一緒の時間、空間を過ごす。まさに一期一会。

「友達のとこのネズミ」 リメイク by akira (ライブバージョン)

2012年02月10日 10時09分42秒 | 民話(リメイク by akira)
 (オレがちっちゃい頃)じいちゃんから聞いたハナシだ。(フント)
 (いつものように)ほんとかうそか わかんねぇけど、
ほんと(う)だと思って 聞くんだぞ。(フントコショ)

 むかーし、じいちゃんが若い頃 友達んとこ、遊びに行ったんだと。(フント)
6帖一間の部屋でな、いやぁ、汚いのなんの、食ったモンはそのまんま、
(掃除なんかしたことねぇんだろうな)
足の踏み場もねぇほど、ごみだらけなんだと。(フントコショ)
(まぁ、男の一人暮らしってのは たいがいそんなモンだけどな)
 
(おいっ、イツっ、今日なんかいいことあったんか?
さっきから ニコニコ うれしそうじゃねぇか)


(こらっ、ヨシっ、トモっ、サボってんじゃねーぞ。
そんなんじゃ、今日の分 おわんねーぞ)・・・ふてくされて、「あぁー」
(おめーは何回も聞いてっぺけど、まーだ 妹は このハナシおもしろがってっかんな。
ガマンして聞いてろ)


 んと、・・・じいちゃんが友達と話(を)してっとな、(フント)
ゴミの山のあいだっこから なんか黒いモンが動いてんのが見えんだと。(フント)
「なんだんべ」と思って見ていたんだっけどな、
どうもネズミみてぇなんだと。(フントコショ)

「なんだ、おめぇ、部屋ん中にネズミがいんぞ」
「あぁ、飼ってんだ」
「なに? 飼ってんだと?・・・ネズミをか?」
「あぁ」
こともなげに言うんだと。(フントコショ)

 (今じゃ、ハムスターをペットで飼うヤツがいっけど、
その頃、ハムスターなんかいなかったな)


「エサやってんのか? ずいぶんちっこいようなネズミだったけど・・・」
「いや、エサには不自由させてねぇ。でっけぇはずだ」
「いや、ちっこかったな」
「いや、でっけぇ」
「ちっけぇ」
「でっけぇ」
って、言い合っているとな。(フントコショ)

 ネズミが出て来て、二人をチョロッ、チョロッ、見てな。 

 「チュウ」 (聞いてた子供が言ってしまう)

 (こらっ、先に言うな、まったく・・・もうこのハナシしねぇかんな)
 (えっー、このハナシおもしろいもん、またやって!)---ブーイング
 (おめーらが 先 言うからだ)


 「チュウ」 (やけになって大きな声で)
って、言ったとさ。

 おしめぇー