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「中高年のための文章読本」その2 梅田 卓夫

2014年10月24日 00時08分18秒 | 文章読本(作法)
 「中高年のための文章読本」その2 梅田 卓夫 著  ちくま学芸文庫 書き下ろし 2003年

 「中高年は問題点が多い」 P-14

 中高年の人は、すでにある種の人生観のようなものを持っています。
あるとき、ある場所での、特定の対象から受けた印象(感動)を書こうとする文章においても、以前から持っていた人生観のようなものを導入して、それによって文章をまとめてしまう。
これでは読者は押しつけがましさを感じることになります。
なんだかお説教を聞かされているようで、読む楽しみとは程遠いものを受け取ってしまいます。

 文章教室や講座へ参加してくる人々は、ときに高校生や大学生以上の集中力と意欲を見せて感動させてくれるのですが、作品の上ではそれが空回りに終わることが多い。できあがった(あるいは制作中の)文章を一読者として読ませてもらうとき、「退屈」を感じる、「おもしろい」と思えるものが少ない、のです。
文章のかたちはそれなりに整っているのですが、すでにどこかで読んだことがあるような内容、だれかから聞いたことがあるような話、それがながながと(ときには得意げに)綴られている。
熱心さはわかるけれども、読者としては退屈な文章を読まされることになるのです。