「思考のレッスン」 その1 丸谷 才一 文藝春秋 1999年
「文章は頭の中で完成させよう」 P-240
「ものを書くときには、頭の中でセンテンスの最初から最後のマルのところまでつくれ。つくり終わってから、それを一気に書け。それから次のセンテンスにかかれ。それを続けていけ。そうすれば早いし、いい文章ができる」
センテンス途中で休んで「えーと・・・」なんて考えて、また書きだす人がいるでしょう。あれはダメ。とにかく、頭の中でワン・センテンスを完成させた上で、文字にせよ、ということなんです。
具体的に言うと、
「親譲りの無鉄砲で子供のときから損ばかりしているマル」
という文章を頭の中でつくる。頭の中ででき上がったところで、初めてそれを文字にする。
「親譲りの無鉄砲で」というところまで書いて、そこで休んで、「うーん、さてどうしようかなあ・・・・、『子供のときから』にしようか、『五つ、六つのときから』にしようか」などと考えてはならない。「『損ばかりして』か『損をしてばかり』か・・・」と迷ってはいけない。
そういったことを考えるのが文章の工夫だと思っている人がいるけれども、あれは間違いです。単なる時間の浪費にすぎない(笑)推敲したければ、書いてしまった上で推敲すればいいんですね。とにかくワン・センテンスを頭の中で全部つくってしまってから、それを文字にせよ。
「文章は頭の中で完成させよう」 P-240
「ものを書くときには、頭の中でセンテンスの最初から最後のマルのところまでつくれ。つくり終わってから、それを一気に書け。それから次のセンテンスにかかれ。それを続けていけ。そうすれば早いし、いい文章ができる」
センテンス途中で休んで「えーと・・・」なんて考えて、また書きだす人がいるでしょう。あれはダメ。とにかく、頭の中でワン・センテンスを完成させた上で、文字にせよ、ということなんです。
具体的に言うと、
「親譲りの無鉄砲で子供のときから損ばかりしているマル」
という文章を頭の中でつくる。頭の中ででき上がったところで、初めてそれを文字にする。
「親譲りの無鉄砲で」というところまで書いて、そこで休んで、「うーん、さてどうしようかなあ・・・・、『子供のときから』にしようか、『五つ、六つのときから』にしようか」などと考えてはならない。「『損ばかりして』か『損をしてばかり』か・・・」と迷ってはいけない。
そういったことを考えるのが文章の工夫だと思っている人がいるけれども、あれは間違いです。単なる時間の浪費にすぎない(笑)推敲したければ、書いてしまった上で推敲すればいいんですね。とにかくワン・センテンスを頭の中で全部つくってしまってから、それを文字にせよ。