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句読点が「意味」と「感情」を伝える 鴨下 信一

2016年09月19日 00時07分08秒 | 朗読・発声
 「日本語の学校」 声に出して読む<言葉の豊かさ> 鴨下 信一 平凡社新書 2009年

 「句読点が「意味」と「感情」を伝える」 P-19

 大事なことを、二つ。
 一つは「句読点」のことです。「、」が読点、「。」が句点です。区切りのことは、文章に句読点が打ってあるから、それに従えばいいじゃないか。そうはいかない。例文に句読点を打ってみましょう。

 A②日本語は、世界一美しい言葉です。

 これはごくまっとうです。では③に句読点を打ってみましょう。

 A③日本語は、世界一、美しい言葉です。

 ふつうはこんなふうには打ちません。これじゃ、句読点だらけになっちまう。
 でも<こうして区切って読むことはある>のです。
 ややこしいのは<こう句読点を打つこともある>からです。
 さあ、混乱してきた。このすっきりとは「割り切れない」のが「日本語の面白さ」だと思ってあきらめること。この「割り切れなさ」はこれからもしじゅう出てきます。

 こう考えてください。
<句読点のところ以外でも、区切って読むことはある>し、<句読点のあるところでも、つなげて読むことはある>。
 句読点は規則ではありません。作者は構成を明確にするためにも、感情を表現するためにも句読点を打ちます。前者は必ずといっていいほど打ちますが、(それでも省略することがあります)、後者はしばしば打ちません。
 読み手は<自分で句読点を再構成しなければならない>、これが大事な点です。

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